2014 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科疾患の治療前後における性機能、排尿機能およびQOLの変化に関する研究
Project/Area Number |
22592515
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 志子 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 研究支援者 (20269377)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新倉 仁 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80261634)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 婦人科疾患患者 / QOL / FSFI / 排尿機能スコア / 自律神経温存広汎子宮全摘術 / 術中神経刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の新規協力者は44名で、5年間で466名の協力が得られた。そのうち、子宮頸癌150人、子宮体部癌151名、その他の婦人科悪性疾患42名、婦人科良性疾患117名、計460名を本調査の対象とし、解析を行った。 性機能評価については、治療後のすべての時期で、FSFIのDesire(p<0.01)、Arousal (p<0.05)、Total score(p<0.01)が入院前4週間に比べて高く、退院後3ヶ月以降では性交回数が多かった(p<0.05)。しかし疾患発症前と比較すると治療後のFSFIが低く(p<0.05)、36ヶ月後も改善しなかった。以上より、治療後のFSFIは入院前4週間に比べて比較的早期に改善するが、36ヶ月が経過しても疾患発症前までは改善しないこと、性交回数は必ずしもFSFIに影響しない可能性があることが示唆された。排尿機能評価の過活動膀胱スコアについては、退院後6ヶ月以外のすべての時期で治療前より高く(p<0.05)、退院後1ヶ月のOAB判定の割合が治療前に比べて多かった(p<0.01)。また国際前立腺症状スコアおよび尿失禁スコアは、治療後のすべての時期で治療前に比べて高く(p<0.01)、尿漏れありが多かった(p<0.01)。このことから、治療後の排尿機能は時間が経過しても劣ったままであることがわかったが、一方で排尿QOLスコアは、退院後6ヶ月以降には治療前まで改善していた(p<0.05)。またQOL評価については、SF-36の身体的側面は治療前に比べて退院後6ヶ月まで低く(p<0.01)、役割/社会的側面は退院後3ヶ月まで低かったが(p<0.05)、12ヶ月以降では役割/社会的側面が治療前より高くなっていた(p<0.05)。以上より、婦人科疾患に対する外科的治療は、治療後12ヶ月には患者のQOLを治療前まで、あるいはそれ以上に改善させる可能性が示唆された。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|