2011 Fiscal Year Annual Research Report
長期的な子産み子育て力につながる「女性を中心としたケア」の実証
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22592519
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
永森 久美子 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (60289965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 成子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (70157056)
大隅 香 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (70407625)
小黒 道子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (90512468)
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Keywords | 助産師 / 継続ケア / 女性を中心としたケア / 母乳 / 満足度 / マタニティブルーズ / エジンバラ産後うつ病自己評価表 |
Research Abstract |
妊娠期から産褥期にかけて助産師が継続ケアを行う助産師主導ケアと、医師主導ケアを受けた母子の健康状態を比較することを目的に質問紙調査を実施した。対象者は、正期産で経膣分娩によって単胎児を出産した女性である。研究期間は2011年の2月から10月までであった。測定用具は、女性を中心としたケアー妊娠期尺度、Steinのマタニティーブルーズ尺度、エジンバラ産後うつ病自己評価票である。産科学的な情報は診療記録から得た。質問紙は、入院中の出産後3日目以降と1ヶ月健診時の2回行った。 入院中の女性280人(助産師主導149人、医師主導131人)とそのうち出産1ヶ月後に回答をした女性238人(それぞれ133人と105人)の分析を行った。平均年齢は助産師主導ケアを受けた女性33.2歳(SD=4.3)、医師主導ケアを受けた女性31.7歳(SD=4.3)であり、助産師主導ケアを受けた女性が有意に高かった(ρ<.005) 助産師主導ケアを受けた女性と医師主導ケアを受けた母子のアウトカムを比較すると、新生児のアプガースコアは同等であり、助産主導ケアを受けた女性の【女性を中心としたケアの認識】(p<.001)と、妊娠・分娩・産褥期を通した満足度(p<.001)は、医師主導ケアを受けた女性よりも有意に高く、前期破水は低率であった。また、産後は助産師主導ケアを受けた女性は、医師主導ケアを受けた女性よりも完全母乳率が有意に高く、助産師主導ケアを受けた女性のマタニティブルース得点は、医師主導ケアを女性と比較して有意に低かった(p<.001)。 産科的にリスクの低い女性に対して行う継続的な助産師主導ケアは、医師主導のケアと比較して母子の健康状態は劣らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
産後1カ月までのデータ収集・分析は終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は産後1年のデータ収集・分析を行う予定である。
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