2011 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患幼児の在宅における療養行動発達支援を家族と協働する外来看護システムの開発
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22592520
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
平林 優子 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (50228813)
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Keywords | 慢性疾患 / 幼児 / 在宅 / 外来看護 / 家族 / 療養行動発達 |
Research Abstract |
本研究の目的は慢性疾患を持つ子どもの幼児期から在宅における療養行動発達を支援するための、外来看護システムモデル構築を目的としている。 平成23年度は、平成22年度に対象が数例であった、気管切開を実施して生活する幼児の療養行動発達と家族や周囲の人の関わりの関係について調査を実施した。対象となる子どもと家族の、診察時の行動の観察および家族との面接調査を本年度は複数の病院において19名実施し、幼児の機関切開に関与する療養行動の発達の過程について検討した。対象の子どもが持つ疾患や発達は一様ではないが、粗大・微細運動と認知の発達に伴って気管切開に関わる療養行動の発達との関係から、外来での看護支援に用いるおおよその療養行動の発達の目安を示せると考えられた。さらに療養行動の発達に大きく関わる、家族の疾患やケアに対する受け取り方、子どもの発達を促す姿勢と、子どもの社会化(療育センターや保育園、幼稚園などでの関わり)によるものと考えられた。この影響要因について外来支援プログラムやモデルの中に組み込む内容をさらに検討していく必要がある。 療養行動への医師や看護師の関与については、主として調査対象の幼児の診察時の観察と、そこでの看護師や医師への質問、カンファレンスへの参加を中心に情報を得た。看護師や医師の子どもの療養行動への意図的な働きかけは、親の認識を変化させたり、親の働きかけを保証することとなっており、また子どもの意欲を高めていた。外来における発達過程に応じたマニュアル等はないため、どの看護師が対応しても意識的に促していくには、視覚的にわかる形での発達と療養行動との関係の図式化されたプログラム等が必要である。 質問紙調査については、むしろ確実に実践経験のある看護師の具体的な意見を取り入れる方法がモデル構築には有効であると判断して実施せず、プログラムを洗練させるための療養行動を明確にする内容に重点をおいた実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外来看護モデルの完成までは至らず、さらに入れ込むべき課題があるため。 それにともなって、モデルの内容の妥当性や実施の可能性についての評価が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
モデル構築のために異なる施設の外来看護の実践者との検討の機会を設けることにより、プログラムやモデルの内容の妥当性や実施可能性についての意見を得る機会を持つ。 複数の疾患についてのプログラムを作成するのではなく、気管切開の療養行動のプログラムを作成して、モデルには他疾患や他の医療的ケアにつながる共通点を入れられれるようにすることで汎用性を確保する。
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Research Products
(1 results)