2010 Fiscal Year Annual Research Report
子育てを支える小児外来看護システムおよび外来看護師育成プログラムの構築
Project/Area Number |
22592524
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
飯村 直子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (80277889)
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Keywords | 小児看護学 / 外来看護 |
Research Abstract |
「子育てを支える小児外来看護システムおよび外来看護師の育成プログラムを構築すること」を目的とした研究の初年度にあたり、研究協力者とともに「小児外来における課題」および「少子化時代に子どもを育てている家族の現状や課題」に関する文献検討を実施した。「子育てを支える」という観点から、出生率やGDPなど、社会的あるいは医療的環境が日本と類似している韓国、カナダ、ドイツ各国の子育て支援政策やシステムについて文献および現地の看護職から情報を収集し、検討した。その結果、システムや育児サポートに関しては諸外国と比べ大きな違いは見られなかったが、受診行動などを見ると親の不安による受診が多いなどの日本の特徴が明らかになり、諸外国との文化や環境の違いについてさらに文献を検討し、考察を深めた。来年度は研究成果を関連学会の学術集会などで発表するとともに、この成果をふまえて、外来での子どもと家族の観察および面接をとおしてそのニーズを把握するフィールドワークの計画、実施へとつなげる予定である。 また、「外来に持ち込まれる子どもと家族の抱える様々なニーズとそれに応える看護の課題」について、経験豊富な小児外来看護師とともに検討した。具体的には、青森県の青森市および八戸市の小児外来エキスパート看護師3名から青森県内の母子保健および小児看護の現状、外来を訪れる子どもと家族の特徴、外来における課題についての情報提供を受けた。ここでもまた不安の強い家族の増加、権利意識の高まりとその対応などの課題が挙げられた。また、外来で継続して関わる場合に、担当する看護師の交替や医療職同志の情報伝達についての家族の思いの把握など、次年度の調査内容に向け助言を得た。
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