2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592526
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
谷口 千絵 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (10349780)
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Keywords | 助産所 / 妊娠期 / 助産診断 / 診察技術 |
Research Abstract |
本年度は研究の目的である助産所における妊婦健康診査における助産診断と診察技術について、特に「初診」における助産診断と診察技術に焦点をあてて文献検討を実施した。 助産学に関する国内の教科書・参考書(以下、テキスト)および英文による国外のテキストより、妊娠期の助産診断や診察技術についての記述をデータとし、比較検討した。 国内発行のテキスト5冊および英国・米国・ニュージーランドのテキスト15冊のうち初診についての記載のある米国のテキスト2冊、英国のテキスト6冊について検討した。 英国においては、女性と助産師のパートナーシップのもとに妊娠・出産・育児をする継続ケアを基本としているため、パートナーを選び会うという視点から「初診」を非常に重要な場面と捉えられていた。日本では、基本的に妊婦・助産師をお互いに選び合うという観点はないため、「初診」に焦点化せず「妊婦健康診査」の枠組みの中でアセスメントや健康診査を行う助産師の態度についての記載がなされていた。 助産師教育のテキストは、各国のケアモデルに基づいて記載されているため、継続ケアをめざす英国では、妊婦と助産師の関係が始まる重要な場面として初診が位置づけられていた。 「助産師外来」「院内助産院」の枠組みにおいて助産師が妊婦健康診査を実施する施設が増加してきているが、日本の助産師教育では分娩介助が焦点化される傾向にある。超音波断層法等のテクノロジーの導入により産科学・胎児学の領域の診断は進歩する一方で、女性の産む力を引き出すことも助産師には求められており、助産学における妊娠期の助産診断および診察技術は再構築される必要性がある。
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Research Products
(1 results)