2012 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠中からの人的ネットワークの調整と泣きへの対応を含む子育て支援プログラムの構築
Project/Area Number |
22592533
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Research Institution | Women's Junior College of Nippon Sport and Science University |
Principal Investigator |
岡本 美和子 日本体育大学女子短期大学部, 幼児教育保育科, 教授 (70435262)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 子どもの泣き / 介入研究 / Emotional distress / 両親学級 / 児童虐待 |
Research Abstract |
養育者による虐待要因の1つである子どもの泣きは、出産後早期の母親のEmotional distressを引き起こすといわれているが、泣きへの正しい知識と適切な対応について情報提供することが有効であるとの報告がある。そこで、母親のEmotional distressへの予防的看護介入として、妊娠後期に両親学級で、"子どもの泣きへの対応プログラム"を導入することにした。本研究の目的は"子どもの泣きへの対応プログラム"を導入することで出産後の母親のEmotional distressへの介入効果を検討することである。 研究方法は、調査期間が平成24年3月から平成25年2月、対象がT大学病院産科外来を受診、また両親学級参加予定の初産婦で選定基準に合致し研究参加への承諾が得られた女性とした。既に両親学級への申し込み済みの初産婦を介入群、そうでない者を対象群とした。研究参加への承諾が得られた初産婦全員に妊娠後期と出産後3~4週頃に質問紙を郵送した。質問紙では、属性、新版STAI、子育て支援状況、出産後の母親のEmotional distressについては、『不安感』『苛立ち感』『自信の揺らぎ』『無力感』と現在の疲労感を介入群及び対象群の両群にたずねた。介入群では両親学級の後半に介入プログラム"を行い、対象群へは、妊婦外来での通常のケアとして、介入プログラムを除く両親学級と同様の内容を個別指導で行った。有効回答数は137名(90.1%)、介入群87名、対象群50名であった。両群の属性情報に統計的に有意な差はみられなかった。Emotional distressでは、『不安感』『自信の揺らぎ』『無力感』について介入群に有意な低下がみられたことから、プログラムによる介入効果があったといえる。泣き止ませ難い子どもの泣きが母親の世話の仕方による問題ではなく、子どもの成長の過程で生じる生理的な理由であるということが、母親の安心感と先への見通しに繋がったと考えられる。
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Research Products
(3 results)