2010 Fiscal Year Annual Research Report
うつ病・自殺予防のための健康診断における不眠に対する保健指導システムの開発
Project/Area Number |
22592543
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
巽 あさみ 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90298513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 章雄 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80135342)
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Keywords | 健康診断 / 保健指導 / うつ病 / ストレス / 看護学 |
Research Abstract |
健康診断を受診した20歳から64歳までの労働者に睡眠に関する調査、不眠のある者に保健指導を実施しその結果を評価するための調査を実施した。介入群3572人に配布、1454人(回収率40.7%)が、非介入群3795人配布、2036人(回収率53.6%)から協力が得られた。保健指導技術を取得してもらうために対象の保健師20名に睡眠保健指導研修会を1日実施した。 介入群で不眠のある者に15分間の保健指導を実施し、評価するために1か月後の調査を実施した。2回目に回答率は介入群1224人(回答率84.2%)、非介入群1444人(回答率70.9%)であった。保健指導の効果については今後解析予定である。今年度中に得られた内容としては、日本産業衛生学会第52回日本産業精神衛生研究会で「成人期おける睡眠障害の関連要因の検討~K6質問紙及び2週間以上不眠との関連~」として発表した。男性568名、女性261名について解析した。その結果、K6(うつ病・不安障害質問紙票日本語版)において、ハイリスクとされる10点以上の者が男女とも約1割おり、2週間以上の不眠が継続している者が男性の4%、女性の2%にみられた。 K6ハイリスク者、2週間以上不眠の者に男女とも共通していたのが倦怠感であった。男性には食欲不振、体重減少、運動習慣がない、夜間の仕事がある、女性には労働時間の長さ等が関連しており、性差があることがわかった。また、今回の調査票をWEB上で回答できるように開発した。平成23年度に実際に使用できる環境を整備するよう検討中である。使用可能になれば、事業者や市町村で健康診断実施時に調査し、結果を自動判定することが可能となる。そして、即時に指導を要する人を選定することができ、指導が必要な方に洩れることなく、保健師等指導者が関わることができる。それにより、睡眠障害のある者に適切な保健指導ができ、うつ病の9割にある不眠を切り口としたうつ病・自殺予防に結びつけることができると考える。
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Research Products
(1 results)