2012 Fiscal Year Annual Research Report
学校・地域連携による子どもと保護者を主体とした家族の生活習慣病予防教育の展開
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22592544
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
藤井 千惠 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70314002)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 予防教育 / ヘルスプロモーション / 学校・地域連携 / 家族 |
Research Abstract |
今年度は、「児童生徒の身体の実態をみるための血液検査等」を小学5年生153人(参加率98.1%)と中学2年生137人(参加率96.5%)の合計290人(参加率97.3%)に実施した。その結果、小学5年生男子50.0%、女子56.0%、中学2年生男子70.0%、女子65.7%で参考基準値から外れた異常項目がみられた。糖代謝で参考基準値以外の者の割合は、小学5年生男子30.8%、女子34.7%、中学2年生男子52.9%、女子41.8%であり、夜9時以降に食べ物を摂取する傾向や早食い傾向、肥満傾向がみられた。 さらに中学2年生の糖代謝の結果を3年前の小学5年生の時に調査した結果と合わせて検討したところ、男女共に血糖値やHbA1cでやや改善がみられたものの、HOMA-Rでインスリン抵抗性を示す者は増加し、さらに女子ではインスリンが高値を示す者が増加した。 そこで、繰越承認を得て、平成25年5月に中学2年の時の調査に参加した137人のうち、中学3年でも保護者および本人が参加に同意した130人(男子66人、女子64人)について血液検査と生活習慣質問紙調査を実施した。その結果、糖代謝で参考基準値以外の者の割合は、中学2年(H24)男子54.5%、中学3年(H25)男子40.9%、中学2年(H24)女子43.7%、中学3年(H25)女子35.9%で全体としては改善傾向であった。しかし、検査項目ごとに検討してみると空腹時血糖値やHbA1cで参考基準値以外の者の割合は減少したが、空腹時インスリン値が高値を示す者やHOMA-Rでインスリン抵抗性を示す者の割合は増加した。これらの結果は、昨年度の糖代謝の結果と小学5年生の時に調査した結果と合わせて検討した結果と同様であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子どもと保護者を主体とした家族の生活習慣病予防教育の成果について、研究論文として報告した。さらに、生徒のインスリン抵抗性の経年変化について検討したところ、思春期におけるインスリン抵抗性の影響が示唆され、さらに継続追跡する必要性について明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に実施した中学2年生の糖代謝の結果と3年前の小学5年生の時に調査した結果および平成25年度の中学3年生の時に調査した結果と合わせて検討したところ、男女共に年を経る毎に血糖値やHbA1cでやや改善がみられたものの、インスリンが高値を示す者やHOMA-Rでインスリン抵抗性を示す者は増加した。思春期では、成長ホルモンの影響などにより「生理的インスリン抵抗性」が増大するとされており、さらに継続的に経過をみていく必要がある。
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Research Products
(2 results)