2012 Fiscal Year Annual Research Report
健康相談を足場とした在日日系ブラジル人母子のサポートシステムの構築に関する研究
Project/Area Number |
22592546
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
畑下 博世 三重大学, 医学部, 教授 (50290482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
マルティネス 真喜子 京都橘大学, 看護学部, 助教 (10599319)
戸田 八津子(金城八津子) 滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (20548193)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 在日日系ブラジル人 / 母子 / サポートシステム / 健康相談 / 異文化看護 |
Research Abstract |
【目的】健康相談を足場として、研究者と産科クリニック、保健師等が協働し、日系ブラジル人妊産婦のサポートネットワーク体制構築に取り組む過程を分析する。 【方法】平成22年11月から平成23年9月に健康相談を実施した。チェックリストおよび面接によりアセスメントを行い、支援が必要と判断した場合には、引き続き研究者と通訳者、および保健師等の支援につながるよう調整した。関連機関に同行して、各関連機関でのサービスの提供と利用状況の実際について参加観察を行った。 【結果】対象者数は21名であった。在日日系ブラジル人母子は、出産から子育て期を通して利用する関連機関で、さまざまな困難に直面していた。我々は、個別の健康相談を通してケースに共通する困難を明らかにした。その困難を「躓き(つまづき)ポイント」とし、関連機関毎にどのような課題があるのかを明らかにした。その結果、サポート構築に関わる主な機関は4か所(産科クリニック、市役所[出生届出、母子健康手帳交付、福祉部門]、保健センター[乳幼児健診とその後のフォロー]、小児科、託児所[保育園])であった。 【考察】母子はサービス提供を受ける際、共通する困難(躓きポイント)があった。これは背景に共通する言語・文化の相違、境遇を根底とした母子の健康課題が、現在の日本における母子サポートシステムでは対応困難な状況にあると考えられる。各機関が在日日系ブラジル人母子のサポートを途切れさせることなく連携する工夫(繋ぎポイント)を必要とした。内容としては、母子手帳交付窓口となる行政は、保健センターと連携し妊娠期からの関わりを継続させ、産科クリニックでは、産後、退院までに必ず新生児訪問のはがきを送付するように援助することで保健センターに繋ぎ、保健センターは小児科と繋がっておくことで産後児の発病時にも 速やかな受診行動がとれる等で、具体的で実践可能なレベルのものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)