2011 Fiscal Year Annual Research Report
保健師基礎教育における施策化の能力を高めるための教育方法の開発に関する研究
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22592547
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
丸山 美知子 東邦大学, 看護学部, 教授 (00291120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 絢子 群馬パース大学, 保健科学部, 教授 (00251132)
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Keywords | 保健師基礎教育 / 施策化 / 地域看護学教員 / 地域看護学実習指導者 / 授業内容 / 実習内容 / 教育方法 / 学習到達レベル |
Research Abstract |
保健師基礎教育における施策化に関する能力を高めるため、授業や実習に着目して「教育内容の精選」「教育方法の開発」「教材開発」を目的に、今年度は(1)全国の看護系大学で施策化の授業を担当している教員178人を対象に「施策化」の授業内容、教育方法、教材等の実態と(2)地域看護学実習で学生指導の経験を有する保健師1685人を対象に、施策化に関する指導内容、方法等の実態について、郵送法による自記式質問紙調査を平成24年1月に行った。()内は%を示し、小数点以下は四捨五入した。 (1)教員は回答者59人(回収率33)で、施策化の授業は3年次(51)に、地域看護活動論(70)、保健計画作成の関連(58)で実施。教育内容は行政保健師にとって施策化の必要性・意義(100)、施策化のプロセス(90)、施策化の事例説明(76)が多く、演習(41)は少ない。学生に期待する学習到達レベルは演習による基礎的な能力の獲得以外の項目全ての到達度について「非常にそう思う」と回答している。教育方法は講義中心(81)、事例使用(66)が多く、教材は市販のテキスト(81)、教員作成の教材(58)が多い。24年度以降において、期待する学習到達レベルは、現時点よりも全ての項目で高く、施策化に関しては高いレベルを求めている。(2)実習指導者は回答者350人(回収率21)で、半数の指導者が施策化の説明をし、4年次の実習時が適当と考え、指導内容は行政保健師にとって施策化の必要性・意義(82)は高いく、施策化の事例説明(51)、施策化のプロセス(49)は教員に比し少ない。学生に期待する学習到達レベルは、演習による基礎的な能力の獲得以外の項目全ての到達度について「非常にそう思う」「まあそう思う」に分かれ、教員よりは期待が少し低い回答である。指導方法は講義中心(55)、実習施設の事業例の使用(39)である。24年度以降において、期待する学習到達レベルは、現時点とほぼ同様ととらえており、教員との違いがみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の計画どおり、施策化の授業および実習指導の実態を把握するための調査を行い、一定数のデータが得られた。(督促状2月実施)。現時点では、単純集計をしたところであるが、施策化の教育・指導内容・方法・教材を検討する上で、貴重な研究成果が得られたと考える。現在、教員又は実習指導者のフエースシート(業務年数、施策化の経験等)や設問間との関連性、教員と実習指導者に対する、同質問の分析の作業を実施している。 また、自由記載の分析を通して課題を検討し、授業案、指導案作成に生かすことができるようデータを整理する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は最終年であり、計画どおり推進する予定である。 保健師基礎教育課程における施策化に関する授業案(授業に役立つもの)及び実習指導案(実習指導者が指導するにあたり有効なもの)を作成することとしている。 現在は、上記の作業と並行して、授業と実習の指導案を作成するにあたり、委員会を設けるため準備している。分担研究者との会議を持ち、委員のメンバーの選出、アドバイザーの選出のため交渉している段階である。 初年度のインタビュウ者及び教育者等から選出予定である。~ 5月から9月までに作業を進め、案を作成し、10月にはアドバイザーから助言・指導を得る。 10月から12月までに授業案、指導案を作成するとともに、3年間の研究をまとめる。 12月以降は、論文作成、報告書作成をする。
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