2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハイリスク児の虐待予防への保健師が行う関係機関との連携・調整の有効な方法の開発
Project/Area Number |
22592548
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松田 宣子 神戸大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (10157323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 哲 神戸大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (10216658)
石井 美由紀 神戸大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (40437447)
田中 陽子 神戸大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (60448727)
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Keywords | ハイリスク児 / 虐待予防 / 保健師 / 連携 / 調整 / 周産母子医療 / 地域保健 / NICU |
Research Abstract |
研究目的は、ハイリスク児の虐待予防への保健師が行う関係機関との連携・調整機能の有効性を明らかにし、それに対する有効な方法を開発することである。今年度は、第1段階の2次調査の実施と分析、第2段階のハイリスク児の虐待予防への保健師が行う関係機関との連携・調整が発揮できている保健所、市町保健センターの調査である。前年度の1次調査ではハイリスク児に虐待あるいは虐待の疑いの事例の有無、院内でのフォローの体制や状況、病院と地域保健との連携の概要などが明らかとなり、同時により詳細な2次調査を依頼した。2次調査は、調査協力の同意を得られた75施設に対して自記式郵送法で回答を得た。調査項目は基本情報(設置主体、病床数、NICU病棟数、スタッフ数など)連携・調整を行っている回答者の基本属性、病院と地域保健との連携のシステム、連携の方法、手段、地域保健への依頼内容、病院と地域保健との事例検討会や合同会議に関すること、病院と地域保健が連携することの効果や成果などである。結果、75施設からの回答を得たが、有効回答は73である。設置主体と形態についてx2の検定を行ったところ有意差が認められた。所属と所属部署についてx2の検定を行ったところケースワーカーとNICU、ケースワーカーと地域連携室に関して有意差が認められた。職種と連携の展開方法や技術研修受講の有無との関連もx2検定の結果、有意差が認められた。病院に連携の担当部署の有無と連携先(児童相談所)についても有意差が認められた。考察として、病院と地域保健との連携・調整機能が積極的に行われているのは、病院の形態(大学病院、こども専門病院など)による。また病院の中にシステムが設置されていることと合わせて、担当部署が整えられていること、技術研修などが行われていることなどが要因であることがわかった。第2段階のハイリスク児の虐待予防への保健師が行う関係機関との連携・調整が発揮できている保健所、市町保健センターの調査については、調査対象施設を選定し、依頼の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進んでいるが、第2段階の調査対象施設の選定が難しく、難航している。文献などから探索しているが3か所は見つけたが、他をどのようにして探索するのか検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
第2段階の調査対象施設については、先行文献からだけでなく、各都道府県の保健部門に問い合わせて選定していくようにする。質的研究方法での10事例のデータの収集、分析には時間を要するが、研究員のサポートも導入して行っていく。
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