2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592553
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鳩野 洋子 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20260268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真崎 直子 日本赤十字広島看護大学, 地域看護学領域, 准教授 (40548369)
鈴木 浩子 武蔵野大学, 看護学部, 講師 (40468822)
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Keywords | 保健師 / 市町村 / リーダーシップ / 尺度開発 |
Research Abstract |
本研究の目的は、市町村の統括保健師に求められる役割・機能の実施状況を測定できる尺時を開発するとともに、その要因を探索することである。本年度は、本調査を実施し、尺度の信頼性、妥当性を行い尺度を完成させることを目的とした。 昨年度収集した尺度項目に関して、有識者に内容妥当性の検討を依頼した結果に基づき最終的に17項目からなる仮尺度を作成した。この仮尺度のほか基準関連妥当性の検討のための項目、役割・機能の発揮に影響が考えられる項目、属性からなる質問紙を作成し、自記式郵送調査を実施した。対象は平成23年3月31日現在の市町村のうち、東北3県を除いた1,621ケ所の統括保健師、もしくは自治体の中の保健師で最も職位が高いものである。調査期間は平成23年10月~11月であった。 1,035ケ所から回収が得られ、ほとんど回答の記載がなかった1通を除き、1,034通を分析に用いた(有効回収は63.8%)。このうち、「統括保健師あり」は450ケ所であった。項目分析により問題を有した1項目を削除し、16項目で主成分分析を行ったところ、全ての項目が第1因子に0.4以上の因子負荷量であった。主因子法、プロマックス回転を用いて因子負荷量0.4を目安として因子分析を行ったところ、3因子が抽出され、【自治体全体の保健活動の推進】(6項目)【保健師代表としての役割遂行】(4項目)【部下の能力の見きわめと開発】(6項目)と命名された。3因子での累積寄与率は54.4%であった。尺度のクロンバックα係数は0.88(下位尺度0.81~0.88)であった。基準関連妥当性については基準項目と有意な相関がみられた。また既知グループ法においては、得点に有意差がみられた。 以上のことから信頼性・妥当性を有する尺度が作成されたと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、本調査および基本的な分析が終了した。また、経過の一部を学会で発表した。 これは当初の予定どおりの進捗状況であるため、おおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、尺度項目がほぼ確定したと考えられるため、次年度は計画どおりにそれらの役割・機能を発揮する上で、どのような要因が関連しているのかについての分析を進める。また、学会発表のほか、論文化を進め、広く研究成果を周知することを予定している。
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Research Products
(2 results)