2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592569
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾ノ井 美由紀 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい教員 (70324788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 和生 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70142594)
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Keywords | 発達障害児 / 生活習慣 |
Research Abstract |
平成22年度に近畿圏下6ケ所の知的障害児通園施設において、1歳から5歳児の保護者を対象として、日常生活実態調査を実施した。対象者は男児が71.8%で、平均年齢が3.9(±1.0)歳であった。母と父の平均年齢がそれぞれ35.7(±4.8)歳と37.4(±5.5)歳であった。療育手帳Aの児が36%で、Bが41%、自閉症やADHDなどの発達障害と診断されていた児が半数であった。生活リズムでは起床時間が8時以降の児の割合が19%と全国の4歳児の42.3%より低かったが、就寝時間が22時以降の児の割合が39%と全国の28.5%より遅く、朝7時までに起床し夜22時までに就寝する早寝早起きの幼児は23.9%であった。そして、「昼間に眠くなる」と回答した児が78.5%と、「夜中に起きだしてウロウロしたり遊んだりする」と回答した児が32.7%と保護者からの生活リズムの相談が半数以上におよび睡眠に関する問題に苦慮している姿が明らかになった。また、一日の座位遊びの平均時間が、休日の方が長くバラつきが見られ、「1人で遊べない」や「遊びが広がらない」「遊びが続かない」など発達障害児の特性に起因する相談が多く見られた。母は「子どもに合わせた対処法について、今すぐにでも実行したい」と感じている関心期の者が多く、食行動や食事内容については6カ月以上の実行期の者が多かった。しかし、身体活動や運動には無関心期の者が多かった。 生活習慣改善教室に参加した母の子どもの食行動や健康管理に対する自信度が上昇したことや、幼児の生活リズムや食行動および身体活動や運動について、子どもの性格や行動特性とその対処法に関する情報獲得度が上昇したことから、教室で行った健康教育を基に幼児期の子どもの発育・発達と生活習慣や発達特性に合わせた対処法についての電子媒体を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は22年度実施の介入研究データの分析と知的障害児通園施設の職員を対象とした「発達障害児について」の研修会を実施予定であったが、知的障害児通園施設職員への研修会が施設都合により、実施困難となったと申し出があり、平成24年度早期に研修会実施の日程調整を行った。結果、施設職員研修会を平成24年度早期に実施することで合意した。 また、職員研修方法として今後の自己管理目標から継続的な研修遂行のためにポートフォリオ学習方法を活用したいと考え、ポートフォリオ学習方法の効果検証を行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成22年度より実施している発達障害児の身体活動および運動に関するデータ収集が停滞気味であったが、平成24年度にデータ収集目処がついた旨、研究協力者より連絡があったことより平成24年度はデータ分析から発達障害児の身体活動および運動プログラム案に着手する。 また、平成23年度に作成した発達障害児の健康教育の電子媒体の活用により、介入対象者の拡大を図るとともに介入効果のデータ集積に努める。そして、研究協力者との連携により小学校養護教諭への発達障害児の病態・生理や生活習慣獲得の重要性に関する知識啓蒙を行うとともに、養護教諭による発達障害児の健康管理教育プログラムの開発に着手する。 ポートフォリオ学習方法の効果検証については、看護系専門学校生にポートフォリオ未来学習方法を用いた教育を実施し、介入前後に既存の自尊感情尺度および自己効力感尺度やインタビューなどにより効果検証を行うことの承諾を得た。
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