2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における睡眠改善介入プログラムの抑うつ症状及び認知機能への効果
Project/Area Number |
22592571
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田中 美加 福岡大学, 医学部, 講師 (70412765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久佐賀 眞理 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 准教授 (10312167)
大倉 美鶴 福岡大学, 医学部, 講師 (70364172)
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Keywords | 高齢者 / 抑うつ / 認知機能 / 睡眠障害 / 睡眠改善介入 |
Research Abstract |
本研究は、地域高齢者を対象とし睡眠衛生教育および睡眠認知行動療法を用いた睡眠改善プログラムの高齢者の睡眠、抑うつ、認知機能、QOLへの効果を検証することが目的である。 初年度であるH22年度の計画は、高齢者(65歳以上)を対象とした睡眠の実態調査であった。 熊本県の1つの村に居住する65歳以上の高齢者全員(563名)を対象とし、2010年6月から7月にかけて自記式質問票調査を行った。睡眠の質はPittsburgh Sleep Quality Index、抑うつ症状はThe geriatric depression scale short formを用いて評価した。その他、基本属性、社会経済状況、健康状態に関する項目について調査した。調査票を配布した563名中、481名(回答率85.5%)より回答があった。睡眠の障害を持つ高齢者は全体で187名(41.3%)、男性では71名(33.8%)、女性では(47.7%)であった。 高齢者の抑うつは、必要な交絡要因を調整した後も睡眠の障害と関連し、その関連には性差が認められた。男女別に抑うつと睡眠の関連をロジスティック回帰分析にて検討した結果、男性においては、未調整時には抑うつと睡眠との間に有意な関連が認められたものの、単変量解析にて有意となった変数や全ての変数で調整した場合、その関連は有意とは認められなかった。一方、女性においては、いずれのモデルにおいても睡眠障害と抑うつとの間に有意な関連を認め、すべての変数を調整要因として投入した際のオッズ比は2.37(95%信頼区間:1.15-4.87)であった。 これらの結果からも、高齢者の睡眠の改善は抑うつを予防する可能性があることが示唆され、特に女性においてその効果が大きいのではないかと期待される。本結果の一部は、22年度に学会で報告した。また、現在論文としてまとめており、23年度公表する予定である。
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Research Products
(1 results)