2010 Fiscal Year Annual Research Report
配偶者を亡くした高齢遺族のスピリチュアリティへの回想法の効果に関する研究
Project/Area Number |
22592588
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
生田 奈美可 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70403665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 春次 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (30181209)
梅木 幹司 山口福祉文化大学, 社会福祉学部, 講師 (50572195)
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Keywords | スピリチュアリティ / 配偶者喪失 / 高齢者 |
Research Abstract |
身体機能の低下、社会的な役割からの引退などによりスピリチュアルニーズが高くなっている高齢期の人々にとって、配偶者との死別体験は、自らの存在意義を問い直さざるを得ない体験といえる。一方、Colemanは回想法がEriksonの提起した高齢期の3つの心理的課題のうちの過去の整理という課題に応える心理的技法であるとしている。本研究では、高齢期に人々がもつスピリチュアリティ概念を明らかにし、それを測する尺度を開発し、そのうえで、回想法/ライフレビューセラピーが、配偶者喪失体験をした高齢期の人々にとって心理的な効果があるかスピリチュアルニーズが満たされるか、について検証する。 22年度においては、配偶者を亡くして3年以内の高齢期の人々がもつスピリチュアリティについて、内容分析を基に明らかにし、論文としてまとめた。その結果を受けて、配偶者との死別経験をした高齢者のスピリチュアリティの因子構造を明らかにし、その尺度を開発するために、1)フェイスシート:性別、年齢、配偶者との死別後期間、主観的な健康状態とストレス認知、日常生活自立度、宗教を信じる程度2)スピリチュアリティ調査票:WHOが、WHOQOL Spirituality, Religious, Personal Beliefからスピリチュアリティを測定する「スピリチュアル、宗教、個人的信念に関する予備調査票(WHOQOL Spirituality, Religious, Personal Belief Scale Pilot Module;WHOQOL SRPB)から藤井ら(2005)が日本人のスピリチュアリティに合致していないものを削除した39項目、3)日本版GHQ28、4)配偶者との死別を経験した高齢者のスピリチュアリティ尺度43項目、を老人クラブ、シルバーセンターに配布した。現在データ90名を回収した。今後、未回収分の回収終了後、分析を行い、尺度構成、信頼性・妥当性の検証を行ったのち、配偶者を亡くした経験をもつ高齢者20名に対し、開発された尺度を用いて、回想法の効果を検証していく。
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