2010 Fiscal Year Annual Research Report
離島在住高齢者のQOL向上へのインフォーマルサポートの関連に関する研究
Project/Area Number |
22592590
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
濱野 香苗 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (60274586)
|
Keywords | 高齢者 / 離島 / QOL / インフォーマルサポート |
Research Abstract |
日本の人口の年齢構成は次第に高齢化し、平成21年には20.2%になっている。今後も更に増加が予測され、介護を含めた高齢者問題は避けて通れない状況になってきている。平成12年4月の介護保険法の施行に伴いフォーマルサポートが提供されるようになったが、離島においてはサービスが十分提供されていない。フォーマルサポートに格差がある離島に在住する高齢者の保健医療福祉サービスの充実へのインフォーマルサポートの有効活用の示唆を得ることをねらいとして、平成21年12月~平成22年5月、構成的質問紙を用いた面接調査を行い、A島在住の65歳以上の高齢者のQOLとインフォーマルサポート等の関連要因を明らかにした。QOLはWHO/QOL26を用い、老研式活動能力指標(ADL得点)、フォーマルサポートに関する10項目、インフォーマルサポートに関する12項目、社会関連性20項目を調査した。分析方法は、x^2検定および重回帰分析を用いた。 A島在住65歳以上のコミュニケーションが取れる高齢者94名(男性31.9%、女性68.1%)から協力が得られた。QOL得点は5点満点で1.62点~4.35点、平均3.29±0.54点であった。QOL得点を高い順に並べ、高い群10名と低い群10名を比較したところ、有意差があった項目は、ADL得点、介護認定の有無、介護保険サービス受給の有無、診療所の利用頻度、ボランティア仲間との交流頻度、行事への参加頻度、新聞を読む程度、趣味を楽しむ程度、物事への積極的な取り組みの程度であった。重回帰分析では有意な項目は見られなかった。
|