2010 Fiscal Year Annual Research Report
認知症の人の口腔機能に関連した苦痛とその緩和に関する研究
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22592599
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
原 等子 新潟県立看護大学, 看護学部・看護学科, 准教授 (30302003)
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Keywords | 口腔ケア / 緩和ケア / 認知症高齢者 / ケアプロトコル / 看護技術 |
Research Abstract |
認知症の終末期には多くが寝たきりとなり、口腔失行、嚥下障害などにより歯磨きや食事摂取が困難となる。認知症はその進行とともに自身の苦痛を自ら表現することが困難になってくる。そのためその苦痛の緩和をadvocateしながら、援助を実施していくことが望まれる。認知症や寝たきりの終末期に生じる開口保持や含嗽困難、口腔ケアの拒否、咀嚼困難や舌の委縮、口腔乾燥・唾液分泌機能の低下などさまざまな口腔機能の変化、さらには経管栄養の実施などにより口腔機能の廃用性変化は加速する。このような口腔機能低下の状態は高い肺炎リスクを招く。このような悪循環を早期に断ち切るためにも、明らかな身体徴候が出現する以前に表出されているであろう苦痛に着目し、その実態を解明する必要がある。平成22年度は、調査基盤の確保および口腔ケアを行うケアスタッフおよび歯科衛生士へケアの実際についての聞き取り調査を実施した。ケアスタッフからは「認知症の人で指示にうまく従えない人のケア」や「ケアに拒否をする人のケア」などで困難を感じることが多いということが分かった.また,多くのスタッフが「時間の不足」や「人手の不足」「本人や家族の理解不足」「ケアスタッフ間での理解の相違」などマンパワー不足だけではなく,知識理解の不足に関連する課題があることが分かった.今後は,この調査結果をもとに,無作為全国調査を実施し,口腔ケアの現状を把握する.また,事例調査を行い,具体的なケアによる改善例を蓄積して,認知症の重症度別に分類する
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