2011 Fiscal Year Annual Research Report
認知症の人の口腔機能に関連した苦痛とその緩和に関する研究
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22592599
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
原 等子 新潟県立看護大学, 看護学部・看護学科, 准教授 (30302003)
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Keywords | 口腔ケア / 緩和ケア / 認知症高齢者 / 看護技術 / プロトコル |
Research Abstract |
認知症の終末期には多くが寝たきりとなり、口腔失行、嚥下障害などにより歯磨きや食事摂取が困難となる。認知症はその進行とともに自身の苦痛を自ら表現することが困難になってくる。そのためその苦痛の緩和をadvocateしながら、援助を実施していくことが望まれる。認知症や寝たきりの終末期に生じる開口保持や含嗽困難、口腔ケアの拒否、咀嚼困難や舌の委縮、口腔乾燥・唾液分泌機能の低下などさまざまな口腔機能の変化、さらには経管栄養の実施などにより口腔機能の廃用性変化は加速する。このような口腔機能低下の状態は高い肺炎リスクを招く。このような悪循環を早期に断ち切るためにも、明らかな身体徴候が出現する以前に表出されているであろう苦痛に着目し、その実態を解明する必要がある。近年、高齢者の口腔ケアをとりまく状況は急速に変化しつつある。誤嚥性肺炎予防だけではなく、口腔機能向上についても、高齢者施設で関心をもち取り組みが始まっている。この状況を受けて、平成23年度は、口腔ケアを行うケアスタッフおよび歯科衛生士など有識者とともに口腔ケアに関する調査内容、項目の検討を行ってきた。その中で見えてきたことは、口腔への関心の高まりと,スキルの向上に向けた積極的な取り組みの状況である。この状況をみて、計画していた調査の実施を再度見直し、調査方法、調査項目の検討を継続課題として取り組んでいるところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
口腔ケアの現状について,近年の関心の高まりを受けて高齢者施設や病院などにおけるケアが変化している.その状況に対応合わせた調査項目の設定をしていく中で,調査内容,項目の検討を慎重に行っているところである,
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度となるため,認知症の口腔ケア,緩和ケア,終末期ケアのキーワードでプロトコルを有識者および臨床家とともに精選し,提案していきたい.
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