2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者ケア施設における学士課程卒業者の高齢者看護実践能力を育成するシステムの構築
Project/Area Number |
22592601
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
坪井 桂子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (80335588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼本 教子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00198558)
小野 幸子 宮城大学, 看護学部, 教授 (70204237)
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Keywords | 高齢者ケア施設 / 介護老人保健施設 / 学士課程卒業者 / 継続教育 / 新任期 / 看護実践能力 / 教育支援 / デンマーク |
Research Abstract |
卒業直後に高齢者ケア施設に就業した学士課程卒業者の高齢者看護の実践能力を育成するシステムを構築するために、介護老人保健施設における教育支援の実施・検証、コペンハーゲンの高齢者ケア施設、高齢者ケア付き共同住宅(プライエボーエ)の継続教育に関する調査を実施した。 1.介護老人保健施設における教育支援の実施・検証 介護老人保健施設にH22年4月に就業した新任期の学士課程卒業者1名に「高齢者看護の実践能力を育成する教育支援プログラム」(坪井2009)に基づき、教育支援を実施した。研究者が新任期の看護師とその指導者に面接を2回実施し、高齢者看護の実践能力の修得、教育支援の状況を評価、看護実践能力の修得に必要な教育支援上の課題を質的に分析した。2年間実施した教育支援上の課題として、「倫理的課題のある事例をチームで共有・実践するための助言」、「急変事例の対応強化をはかる学習課題の設定と進捗状況の確認」、「認知症の病期ごとの症状および中核症状、BPSDに対する看護の特性の整理」、「疾患、症状の学習への取り組みの確認」等が挙げられた。高齢者看護の実践能力の育成には、これらの教育支援上の課題への取り組みを支えることが重要な要点と考えられた。 2.海外の先駆的施設における継続教育の調査 コペンハーゲンの高齢者ケア施設の施設長(看護師)1名、高齢者ケア付き共同住宅の看護管理者2名に面接し、継続教育に関するデータを収集した。次年度以降、調査内容を分析、高齢者ケア施設の新任期の看護師の教育支援に適用できる内容を抽出する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
教育支援システムの構築のために、4つの研究を実施している。研究代表者がH23年度に職場異動し、当初の計画がやや遅延しているものの、4年間の研究目的の約6割は達成している。介護老人保健施設における教育支援については、教育支援上の課題、課題に取り組むための支援体制などが明確になりつつある。療養型医療施設における教育支援については、H24年度に重点的に進める予定である。特別養護老人ホームにおける教育支援についても導入準備の会議を実施予定である。先駆的施設の継続教育に関する調査は、イギリス、デンマークにおいてデータ収集を終えたので、分析する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
データ分析が遅延しているため、研究分担者の協力を得て遅延を最小限にする必要があるため、以下の対応策を実施する。分析方法の工夫により時間の最少化をはかる、研究分担者と適宜、電話、メールで会議を実施し、進捗状況を確認しする。また、遅延時、データ分析の一部を分担するよう依頼する。 介護老人保健施設においては、看護師長が退職し、後任が決まらず看護職の責任者が不在となった。そのため、研究の遂行に支障をきたしかけたが、施設長と研究協力について話し合い、当該施設における教育支援の最終年度であり、3年間の教育支援を終結し成果を明確にする必要性の理解を得ることができた。 海外調査については、施設の検索に時間を要し、面接調査は終えたものの、分析が遅延している。2カ年度にわたる調査を終えたので、教育支援内容・方法に活用可能な要素を導き、教育支援プログラムに反映することとする。
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Research Products
(4 results)