2012 Fiscal Year Annual Research Report
認知症高齢者に対する赤ちゃん人形を用いた非薬物療法の効果検証と方法論の確立
Project/Area Number |
22592603
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
畑野 相子 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (30405071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 千寿 聖泉大学, 看護学部, 講師 (00381921)
北村 隆子 京都橘大学, 看護学部, 教授 (10182841)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 赤ちゃん人形療法 / 認知症高齢者 / BPSD(心理・行動症状) / 非薬物療法 |
Research Abstract |
本研究は、認知症高齢者の心理・行動症状(BPSD)に対する非薬物療法として赤ちゃん人形(以下人形とする)を用いた療法の効果の確認と療法としての確立することを目的に取り組んできた。平成22年度23年度で人形療法の効果が確認できたので、平成24年度はそれを療法として看護に導入し、人形療法の効果検証と方法論の確立に取り組んだ。具体的には、訪問看護において、焦燥感や徘徊などの心理・行動症状を有しコミュニケーションが図りにくい認知症高齢者10人に人形療法を実施した。1例は家族関係が悪く、家族からほっといてくれと申し入れがあり中止となったが、9人は人形に関心を示し、落ち着きを取り戻す効果がみられた。また、訪問看護師と人形を重ねて記憶すること効果も見られた。介護者からは「すこし落ち着きが出てきた」「少し関係がとれるようになった」との声もきかれた。 以上のことから人形が認知症高齢者の不安軽減に効果があることが検証できた。人形療法を実施するうえで重要なことは、認知症高齢者の背景を把握し、認知症高齢者自身にとっての人形の意味をアセスメントすることである。そして、人形療法の目的は、人形を媒介にして認知症高齢者自身のニーズを顕在化させることであると意識していなければならない。そして最も重要なポイントは、認知症高齢者が人形に対し、能動的に気持ちを発することである。単に人形を渡すだけでないことを強調する。 また、今年度は、話したり歌を歌う人形を用いて効果の測定をした。高齢者は難聴であることから、声の質や話すスピードなどに難点があったが、歌と笑いに関心を示す認知症高齢者がみられたが、効果の検証までに至っていない。 今後は、虚弱高齢者の認知症予防を目的としたコミュニケーションツールとして人形ロボットを用いた療法の開発を考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)