2010 Fiscal Year Annual Research Report
正確な水分代謝と体内水分量測定を用いた高齢者の脱水予防:エビデンスに基づく支援
Project/Area Number |
22592604
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岡山 寧子 京都府立医科大学, 教授 (50150850)
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Keywords | 看護学 / 老化 / 医療・福祉 / 脱水予防 / 熱中症予防プログラム |
Research Abstract |
本研究は、高齢者の健康状態やADL、易脱水性など個人要因と気象条件を組み合わせた、高齢者に実践しやすい効果的な脱水予防・熱中症予防プログラムを提案・検証すること、および体水分動態を考慮した脱水アセスメント法の確立を目的としている。 1年目(H22年度)は、脱水予防・熱中症予防プログラム作成の上で必要な基礎的データとなる高齢者の体内水分量について、主に部位別生体電気インピーダンス法(SBIA)を用いて測定し、加齢変化や自立度、体力等との関係性から検討した。その結果、まず、体内水分量の加齢変化をみると、細胞内液量は加齢と共に減少する一方で、細胞外液量は必ずしも減少していなかった。つまり、筋肉量減少により細胞内液が減少することが確認された。また、体力との関連について、細胞内液量では筋肉をよく使用する握力や垂直跳びが、敏捷性や柔軟性指標であるステッピングや長坐位体前屈等に比べて有意な相関がみられ、筋肉量が関係していることが認められた。細胞外液は細胞内液ほど筋肉量との関連はみられなかった。さらに、自立度との関連をみると、要介護状態にある虚弱高齢者の方が自立高齢者に比べ、細胞内・外液量共に有意に減少していることが認められ、虚弱高齢者は易脱水傾向にあることが推測された。体内水分量は飲水行動だけでなく、筋肉量との関連が深いと考えられるため、脱水予防のためにも筋肉量を維持する工夫が必要であることが示唆された。 以上の結果をふまえて、2年目(H23年度)は、飲水行動を含む生活習慣を調査し、これに基づく脱水予防・熱中症予防プログラムを作成すると共に、易脱水性を正確に、かつ簡便に判定する方法を検討する予定である。
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Research Products
(6 results)