2010 Fiscal Year Annual Research Report
過疎高齢化集落における高齢者の孤立や孤独死の防止に有効な介入モデルの構築
Project/Area Number |
22592608
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
水主 千鶴子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (30331804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 幹雄 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (40168018)
上松 右二 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (90223502)
内海 みよ子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (00232877)
岩原 昭彦 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (30353014)
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Keywords | 過疎高齢化集落 / 高齢者 / 孤立 / 孤独死 / 学生 / 介入モデル |
Research Abstract |
平成22年9月に過疎高齢化集落に居住する一人暮らしの高齢者に対して半構成的面接法による聞き取り調査を行い、パーソナルネットワーク(家族関係、親族関係、近隣関係など)とソーシャルネットワーク、必要な人的資源、属性などを把握した。この地区は公共交通機関が無く高齢者は外出することが少なく、近隣との親密な社会関係が築かれており、孤独死は過去10年間1件もなかった。 しかし、地区によっては老人クラブの解散や互いの家庭訪問などの高齢者の交流が年々減少していることがわかった。このような状況において学生が地区を訪問し、高齢者と交流をもつことは高齢者にとって楽しみであり、学生の訪問が高齢者同士の交流のきっかけになっていることがうかがえた。 平成22年7月に高齢者に対して健康診断を実施してその結果は本人に通知し、地区担当保健師とともに保健指導を実施した。これにより高齢者は疾病管理が可能になり、安心して地区に住み続けることができ、孤独死防止に役立っていると考える。 平成22年10月に学生は、高齢者と一緒にもち投げのもちをつくりなど地区の村祭りに参加した。学生は、村の伝統行事の重要性と村祭りでの高齢者の役割について学ぶことができた。学生が、村祭りに参加することで村の伝統文化の担い手としての役割を果たし、村の活性化につながっていくと考える。 平成23年3月に地区全体の高齢者が集う交流会を開催し、高齢者と高齢者、学生と高齢者との交流が行われた。この交流会によって、雪が降る冬季には交流が途絶えていた高齢者が、交流会に参加することによって、互いの無事を確認し、近況を伝え合い絆を深めることができた。理学療法士の指導のもとに軽い運動やレクリエーションを実施した。また、学生との会話や懐かしい歌を一緒に歌うことで、高齢者は大きな声を出し、笑顔がよくみられたことから、高齢者の精神的健康が向上したと考える。これらの取り組みを継続することにより高齢者の孤立が解消し、孤独死の防止につながると考える。
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