2011 Fiscal Year Annual Research Report
精神科デイナイトケアにおける感情活用能力促進プログラムの開発と有効性の評価
Project/Area Number |
22592619
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小谷野 康子 順天堂大学, 医療看護学部, 講師 (30209952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 真巳 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (30209952)
森 真喜子 北里大学, 看護学部, 准教授 (80386789)
小泉 仁子 筑波大学, 大学院・医学群看護科学系, 准教授 (20292964)
立石 彩美 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (00514861)
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Keywords | 弁証法的行動療法 / 感情調節困難 / 情動コントロール / マインドフルネス / 感情知性 / 情動知能 / 抑うつ / 精神科デイケア |
Research Abstract |
精神科外来通院中のデイナイトケアを利用する神経症圏及びうつ病圏の患者を対象とした「感情活用能力」促進プログラムの開発とその有効性の評価を本研究の目的とする。 3年計画初年度(平成22年)は、先行研究の感情管理型プログラムを改変し、弁証法的アプローチにより感情管理による「変化」を求める内容と、今の瞬間の現実に常に気づきを向け、その現実をあるがままに知覚して、それに対する思考や感情には囚われないでいる心の持ち方の「受容」という両極の内容を統合し、感情の変容にむけたプログラムを開発した。研究者が行っている弁証法的行動療法(DBT)のスキルトレーニングの実践活動を参考にしながら、計画2年目の23年度は、プログラムに修正を加え、CopelandによるWRAP(Wellness Recovery Action Plan)を組み込んだプログラムを開発した。WRAPは、不快あるいは危険な身体の症状と感情の激しい起伏をモニターし、軽減し、解消するためのシステムである。これらを用いることで全般的な生活の質の向上に役立つといわれ、最近ではトラウマの回復にも用いられている。プログラムに、このシステムを加えることで、うつ病患者の日常生活管理を容易にし、再発防止の効果維持プログラムとして有用と考える。 実践中の課題を整理し、以下の実施形態が検討された。1.対象患者は、感情調節困難なクライエントとする。2.グループは、クローズドグループの10名とする。3.セッションの時間は90分。4.プログラムの構成は、マインドフルネスを毎回のセッションに取り入れた「苦悩耐性スキル」「感情調節スキル」「対人関係スキル」の3モジュールにWRAPを加えた。5.各セッションの構成は、マインドフルネス、前回の橋渡し作業、前回のホームワークの報告、本日のテーマの講義とワーク、本日のホームワークの確認、振り返りとする。6.プログラムの実施は週1回、8週を1クールとする。実施期間については、米国では24週を1クールとして2クールの実施が標準化されているが、8週のプログラムを2クール実施とするかの検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画は、所属先の倫理委員会の承認を受け、研究フィールドに交渉中であるが、実施までの手続きに時間がかかっている。そのため介入の評価は、質的評価を中心に実施することを考えている。この評価を実施しながら、量的評価の準備に取り組みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
質的評価で有用性を確認し、プログラムの介入効果を数量的に評価していく。予定していた研究フィールドでデータが得にくい場合は、他のフィールドを開拓する必要がある。
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Research Products
(8 results)