2011 Fiscal Year Annual Research Report
訪問看護師向け「膀胱留置カテーテル管理」研修プログラムの開発と効果実証
Project/Area Number |
22592625
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
前田 修子 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (70336600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝内 隆子 岐阜大学, 医学部, 教授 (10289762)
小松 妙子 岐阜大学, 医学部, 教授 (20326078)
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Keywords | 訪問看護師 / 教育プログラム / 膀胱留置カテーテル / 効果検証 / 現任教育 |
Research Abstract |
訪問看護師向け「膀胱留置カテーテル管理」研修プログラムの開発を目指し、訪問看護利用者における長期膀胱留置カテーテル留置者(以下、長期カテーテル留置者)と訪問看護師のカテーテル管理実践状況の実態を把握することを目的に、訪問看護師30名を対象に質問紙調査を実施した。結果、1.訪問看護利用者における長期カテーテル留置者は、留置理由として排尿障害とならび介護負担の軽減もあり、留置期間が平均で4.3±3.8年、抜去見込みのある者は1名(3.3%)のみと留置期間が長期化し、尿路感染症等の合併症や異常症状を有している者が多かった。2.訪問看護師は、訪問時にカテーテル管理全般を実施し、カテーテル挿入、水分摂取の促し、尿混濁の観察、医師との連携に困難を感じている者が多かった。3.長期カテーテル留置者を対象に訪問看護師が経験した困難内容は、【カテーテル留置に伴う合併症・トラブルとそのアセスメント、対応に伴う困難】【本人・介護者への指導に伴う困難】【カテーテル関連物品の使用に関する困難】【医師との連携に伴う困難】【カテーテル挿入・抜去手技に伴う困難】【医療職以外の在宅ケアスタッフによるカテーテル管理の困難】であった。4.長期カテーテル留置者の訪問看護緊急対応状況は、緊急対応「有」は80.0%、回数はのべ76、対応手段は86.8%が訪問であった。連絡者は家族が多く、連絡内容は尿量の異常、尿漏れ、尿の性状異常、連絡内容に対する訪問看護師の判断はカテーテル閉塞、カテーテル抜去、血尿、対応内容はカテーテル交換、受診の勧め・医師への相談、本人・介護者への指導の順に多かった。今後は、この結果をもとに訪問看護師向け「膀胱留置カテーテル管理」研修プログラムの内容・方法の検討を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、"訪問看護師向け膀胱留置カテーテル管理研修プログラム"を開発・実践し、訪問看護場面での効果を実証することである。23年度は、目的の達成に向けて、訪問看護師を対象に訪問看護利用者における長期膀胱留置カテーテル留置者と訪問看護師のカテーテル管理実践状況の実態について調査を予定通り実施し分析することができた。よって、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年である24年度は、23年度の調査で明らかになった1.訪問看護利用者における長期カテーテル留置者の状況、2.訪問看護師のカテーテル管理実践状況、3.長期カテーテル留置者を対象に訪問看護師が経験した困難内容、4.長期カテーテル留置者の訪問看護緊急対応状況の実態をもとに、訪問看護師向け「膀胱留置カテーテル管理」研修会を企画し、研修会による知識・技術の修得状況の変化と看護実践場面での変化から効果を実証することを目的に研究を進める予定である。
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