2011 Fiscal Year Annual Research Report
在宅療養者と家族のQOL向上を目指した小地域基盤型ケアコミュニティの開発
Project/Area Number |
22592628
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
真継 和子 大阪医科大学, 看護学部, 准教授 (00411942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 明子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70282209)
岡本 里香 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (10280009)
森山 文則 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (10585483)
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Keywords | コミュニティ / 住民主体 / サポートシステム / 地域看護 |
Research Abstract |
当該年度における課題は、(1)健康に関する知識や技術を高めること、憩いやおしゃべりの場としてのサロン型ケアコミュニティの運営、(2)情報通信技術を活用したネット型ケアコミュニティの開設準備、(3)住民主体の健康づくりをめざしたヘルスサポートボランティアの育成であった。 1.サロン型ケアコミュニティの運営 4月~5月においてサロン開催地の最終決定を行い、地域のニーズ把握を実施した。市内の中でも高齢化率の高い地域でもあったため、対象者を在宅療養者とその家族のみに限定することなく広く住民に門戸を開くこととした。広報活動は町内会やコミュニティセンターなどに呼びかけを行い、9月より月1回のペースで開催した。3月まで計7回、述べ43名(4~12名/月)の利用があった。利用者のうち要介護者1名、介護者4名であり、その他は独居高齢者であった。年齢構成は40~80代であり、27名中21名が65歳以上、後期高齢者は8名であった。高血圧、高脂血症、腰痛・膝関節痛のいずれかがあり、健康チェック(血圧測定、体脂肪測定)、健康相談、介護相談、健康教育として健康講話を実施した。うち3名は緊急性を要し、提携する病院へとつなぐことができた。定期的な利用者が5~6名であり、「何でも相談できる」「人と話す機会ができる」「健康関連の知識が増える」「自分の健康法に自信がもてる」等の意見がみられた。 2.ネット型ケアコミュニティの開催準備 情報提供の場としてのHPの開設、スカイプを活用した健康相談の実施に向け検討をした。サロン利用できない療養者や家族のニーズが高く、会員制での運用を次年度から開始することになっている。 3.ヘルスサポートボランティアの育成 月1回6か月コースの少人数制研修会を企画し、参加者を募集している。Teaching of teaching方式で学習したことを活かせる(実際に演習ができる)場の確保を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展してはいるものの、平成22年度の状況において、サロン開催地の決定がスムーズに行えなかったことにより6か月ほどの計画の遅れが出ていた。当初計画において今年度は、サロンの運営並びに利用者への効果について評価をしていく予定であったが、前年度の計画遅延のために評価までは至っていない。また、サロン利用者を増やし地域での周知度をあげるために、広報活動を積極的に行っていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
サロンの運営・評価、スカイプを利用した健康相談、ヘルスサポートボランティアの育成(6か月コース年2回開催)を重点的に実施していく。さらに、地域における健康サポート委員会の発足に向け、町内会、商店街組合、医師会との調整を図っていく。地域住民への周知を図るため、3か月に1回であったサロン開催についてのチラシ配布から、健康ワンポイントアドバイスを書き込んだ月1回のニュースレターを発行することにしている。 サロン運営に関し研究協力者ならびにボランティア学生の確保、後援施設も出てきており、スタッフと地域住民との関係性も密になってきている。地域に出向き住民のニーズを捉えながら運営を活発化するとともに、その成果を公表し他者評価を得ていくことを課題とする。
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