2012 Fiscal Year Annual Research Report
在宅療養者と家族のQOL向上を目指した小地域基盤型ケアコミュニティの開発
Project/Area Number |
22592628
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
真継 和子 大阪医科大学, 看護学部, 准教授 (00411942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 明子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70282209)
伊藤 ちぢ代 近大姫路大学, 看護学部, 教授 (50196680)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | コミュニティ / 住民主体 / 健康づくり / 介護予防 / サポートシステム / 地域看護 |
Research Abstract |
当該年度における課題は、①健康に関する知識や技術を高めること、憩いやおしゃべりの場としてのサロン型ケアコミュニティの運営・評価、②情報通信技術を活用したネット型ケアコミュニティの開設、③住民主体の健康づくりに向けたヘルスサポートボランティアの育成、④ニュースレターの発行であった。 【サロン型ケアコミュニティの運営】月1回のペースで開催し、計12回、述べ100名(4~12名/月)の利用があった。利用者は独居高齢者もしくは高齢者世帯の方であった。年齢構成は60~80代であり、22名中20名が65歳以上、後期高齢者は11名であり、昨年度より利用者の年齢は上昇していた。高血圧、高脂血症、心臓疾患、腰痛・膝関節痛、脳血管障害後遺症による構音障害やうつ症状を有し、健康チェック(血圧測定、体脂肪測定)、健康相談、介護相談、健康教育として健康講話を実施した。新たに足指力測定と運動を取り入れ介護予防への取り組みを強化した。さらに、リラクゼーション目的のアロママッサージを実施した。いずれも好評を得、健康づくりおよび仲間づくりの場の機能している。さらに、要支援が必要なケースを関連機関へとつなげることもできた。【ネット型ケアコミュニティの開催準備】スカイプを活用した健康相談の実施に向け検討をすすめてきたが、機器がない、高齢者が利用方法を修得することが困難との理由から、ニュースレターの発行数を増やし、紙ベースで情報提供をしていく方向に変更した。【ヘルスサポートボランティアの育成】少人数制研修会を企画し参加者を募集したが、少数であったため保留状態となっていた。2013年5月からの実施が決定している。【ニュースレターの発行】健康に関連した情報提供の一環として、毎月1回、計12回発行した。1回あたり80部を発行し、関連病院や訪問看護事業所等に設置した。いずれの月も全部なくなっている状況であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展してはいるものの、参加者が少なくヘルスサポートボランティアの育成事業が難航していた。企画案を再検討するとともに、2013年5月からの実施にこぎつけることができた。 また、ネット型ケアコミュニティの開催に向け準備をすすめてきたが、利用対象者の確保、またネット関連の機器および操作等に問題が生じ、結果的に開催を断念した。そのため、情報提供紙としてのあいあいニュースの発行を月1回とし、配布数を増やすなどの工夫をした。ニュースは病院や訪問看護ステーションに配架し、いずれの月も全部数がなくなっている。今後は読者層の追跡とともに、ニュースがどのように利用され役立っているかについても検討していく予定である。 サロン型ケアコミュニティは地域において定着してきており、参加者同士の交流が増えるとともに、サロン内において参加者個々がそれぞれの役割を見いだし、積極的活動へと変化の兆しを見せている。 本研究課題はH25年度が終了の時期となるが、サロン利用者からは継続の要望が強い。また、地域のコミュニティセンターやNPO団体による健康教室との連携も検討し、地域のネットワーク強化に向けて動きはじめている。住民主体によるサロンの継続のあり方を模索しモデル化するとともに、ネットワーク構築に向け検討していくこと、引き続き運営並びに利用者への効果について評価をしていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
サロンの運営・評価、ヘルスサポートボランティアの育成(6か月コース年2回開催)を重点的に実施していく。また、町内会、商店街組合、医師会、コミュニティセンター、他機関で実施されている介護予防教室との連携を図り、地域におけるネットワークの強化に努めていく予定である。さらに、本年度は最終年度であることから、学会や他組織での情報交換を積極的に実施し、本事業の評価をしていくことが必要である。サロン参加者の継続要望も強くあり、今後地域住民らが主体的となって活動していける場へと変換していけるようなシステムを構築することを課題とする。
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