2010 Fiscal Year Annual Research Report
メンタルヘルス不全により休職した看護師の実態調査及び復職支援ツールの開発
Project/Area Number |
22592629
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
富永 真己 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (40419974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 明子 筑波大学, 人間総合科学研究科, 准教授 (30315569)
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Keywords | 看護師 / メンタルヘルス不全 / 復職支援 |
Research Abstract |
【研究の目的】(1)メンタルヘルス不全により休職した看護師の休職に至る実態を明らかにする、(2)病院組織の対策の実態と課題を明らかにする、ことを目的とした。 【方法】倫理委員会の審査を経た後、(1)メンタルヘルス不全により2週間以上休職した看護師の対応経験のある看護管理者のうち、調査協力に同意した6施設10名に聞きとり調査を実施した。看護管理者の属性、メンタルヘルス不全者支援に必要なこと、休職者の個人属性、メンタルヘルス不全となった要因、主治医の診断名、転帰、メンタルヘルス不全者に対応した合計期間を尋ね、録音データの逐語録を事例ごとにまとめた。(2)全国6か所の看護系団体組織開催の研修会での参加者全員(N=880)に無記名の自記式質問調査票を実施した。回収された701票(回収率80%)を集計及び分析に用いた。 【結果】(1)看護管理者が対応した休職者は合計22例、属性では女性、未婚者、20代が各々7割以上を占めた。メンタルヘルス不全の要因では、仕事の負荷(12例)、次いで性格の問題、が順に多かった。主治医の診断名は、うつ状態・うつ病、次いで適応障害等が順に多く、対応期間は平均318.3(範囲30-1095)日であった。転帰は、休職後退職が最も多く復職事例も認めたが対応の困難さが伺えた。(2)対象者の7割が「現在の勤務先でメンタルヘルス不全の看護師がいる」と回答し、半数を新卒及び20代が占め、背景要因では"個人の要因"最も多く、平均対応件数は3.10件(±1.18)であった。状態像ではうつ状態、次いで適応障害が多く、転帰では退職・休職後退職が最も多く4割を占めた。対策では「管理職用の対応マニュアル」「管理職向けのメンタルヘルスの教育」が現状の実施は2割以下であった一方、今後の対策の必要度ではそれらが上位を占め、病院組織の復職支援体制をはじめとするメンタルヘルス不全による休職者への支援の課題が明らかとなった。
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