2011 Fiscal Year Annual Research Report
在宅医療依存療養者の療養継続モデルの構築及び医療依存指標の開発
Project/Area Number |
22592630
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Research Institution | Ube Frontier University |
Principal Investigator |
田中 正子 宇部フロンティア大学, 人間健康学部, 講師 (60515807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 寿美 宇部フロンティア大学, 人間健康学部, 助教 (20516356)
河野 保子 広島文化学園大学, 看護学部, 教授 (80020030)
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Keywords | 在宅療養継続 / 医療依存度 / 医療依存点数化 / QOL / 介護負担感 |
Research Abstract |
本研究は、在宅療養者の医療状況と家族の介護状況に焦点を当て、在宅療養継続要因を明らかにすること及び在宅療養者の医療依存状況を総合的に判断し、客観的な指標を導き出し点数化することを目的にしている。平成23年4月~平成24年3月までに下記の研究活動を実施した。 1.医療依存のある在宅療養者及び家族介護者の実態調査(60組実施) 研究代表者が研究協力者に、研究目的、方法、倫理等について具体的に指導した後、契約書を交わし調査を依頼した。研究協力者は訪問看護ステーションの管理者経験豊富で介護支援専門員の資格を有しているベテランである。研究協力者とは密に連絡を取り合い、情報を共有しずれが無いよう調整した。 2.医療従事者に対する調査 医療従事者が認識している上記60名の在宅療養者の医療依存度について、VAS尺度を用いて調査した。 3.在宅療養者及び家族介護者の調査の分析(対象者:(1)29組、(2)家族:8名、(3)療養者:5名) (1)「在宅療養者を介護する家族高齢者の生活満足度と介護負担感及び自己効力感との関連性」 高齢介護者の生活満足度は、介護負担感と有意な負の相関があり(r=-.497)、また、高齢介護者の生活満足度と在宅療養者の自己効力感との間に有意な正の相関が認められた(r=.549)。 (2)「老老介護における家族の介護に対する思いと療養継続要因」 65歳以上の高齢者を介護している65歳以上の高齢家族介護者8名の聞き取り調査から、6つの共通カテゴリーが抽出された。その中から療養継続要因として【在宅療養に価値】【愛情】【役割・責任】【公的サポート】の4つのカテゴリーが抽出できた。 (3)「在宅療養者の療養生活上の認識に関する概念化」 在宅療養者の療養に対する認識について検討し,療養生活上の概念及び概念構造を明らかにすることを目的に、半構成面接法でインタビューを行った結果、コアカテゴリーとして【家族の絆】【介護者への謝意】【在宅療養に対する価値】【身体状態の不調に伴う精神的葛藤】【リハビリへの意欲とADLの維持・向上】の5つの概念が抽出された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究対象者は23年度50組の予定であったが、60組確保できた。これで全対象者は112組となった。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は3年目となるため、全対象者の分析を実施し、国内の学会等で発表及び原著論文の作成をしたいと考えている。そして年度末には報告書を作成する予定である。 医療依存指標の開発については、点数化を試み妥当性の予測は出来ているが、まだ普遍化するには至っていない。今回の研究成果をもとに再度科学研究費の助成を受け、福祉職等、誰でもできる簡便な質問紙表の開発をしたいと考えている。
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Research Products
(3 results)