2010 Fiscal Year Annual Research Report
支援や治療を受け入れにくい精神障害者への地域における支援に関する研究
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22592635
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
新村 順子 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (90360700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 美千佳 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 主任研究員 (70227247)
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Keywords | 地域ケア / 精神障害 / 未治療期間 |
Research Abstract |
今年度は、主に、(1)10代~30代の未治療・医療中断者の精神障害者及び家族への援助について、都内某保健所に勤務する保健師8名からインタビューした11事例に対し、保健師の判断及び援助の特徴についての分析の継続、(2)(1)のデータを補足する位置付けで,同保健所にて行われている事例検討会にスーパーバイザーとして出席し、保健師の支援について情報を収集した,(3)また、当保健所の事業のうち、治療困難者事例に対する支援の他機関との連携を深める目的で実施された、管内地域保健福祉機関、医療機関、関係機関向けの、冊子(「困ったときの連携ノート」)作成に協力をした。 保健師からのインタビューデータ及び事例検討の内容の現時点での分析では、保健師は、未治療・医療中断者への援助について、本人や家族が援助場面に登場してきたときにタイミングを逃さず関わること、関係が切れないように必ず次回に繋げる援助を提供していることなどを大切にしていることが挙げられた。事例の年齢が若い場合には、本人の状態も流動的であり、支援や治療を受ける気持ちに本人も家族もなりにくいこと、義務教育年代から外れる10代後半の事例については、支援のシステム自体が希薄であることなどが挙げられ、特に継続的な支援を提供する難しさがあがった。また保健師の経験年数によっても、支援を提供する際に困難を感じる度合や、視点が異なっていることも確認でき、このギャップを補正するためには、職場のサポート体制、職場で実施されている事例検討の質などが影響していると考えられた。
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