2011 Fiscal Year Annual Research Report
支援や治療を受け入れにくい精神障害者への地域における支援に関する研究
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22592635
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
新村 順子 財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 研究員 (90360700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 美千佳 財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 主任研究員 (70227247)
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Keywords | 地域ケア / 精神障害 / 未治療期間 |
Research Abstract |
今年度は (1)10代から30代の未治療・治療中断者の精神障害者及び家族への援助について、昨年度実施した、保健師の支援事例11例へのインタビュー内容について、内容の質的分析を継続した。データを補足する位置づけでの、保健所で実施されている事例検討会へスーパーバイズとしての出席も引き続き継続した。 (2)永年地域精神保健を実施している有識者を講師に、未治療・治療中断者への地域での支援についての勉強会を実施し専門知識の提供を受けた。 (3)インタビューより、未治療・医療中断者への援助について、受診動機や支援ニーズを持っていない家族や本人に対しては、介入の機会を逃さないために、訪問頻度、場所や時間、同行者などの選定を行い次回に繋げる援助を提供していたこと、事例の年齢が10代の場合には、支援のシステム自体が希薄であり、支援効果や見えるまでに時間がかかることも多く、保健師として支援を開始していくかどうか、支援を継続していくかどうかは、担当している保健師自身の考え方、それまでの経験や知識などにより影響を受け、よって担当者の交代等を機会に支援が途絶えてしまうことが危惧されることなどが挙げられた。上記より、未治療・治療中断者へのガイドライン案を作成し検討した結果、例数とインタビュー対象者のバリエーションが少ないことから、ベテランの保健師、および経験年数の浅い保健師の例数を増やすこと、また保健師以外の職種などにもインタビューの対象を広げる必要性があることが明らかになった。その結果、追加のインタビュー(保健師)を実施した。次年度も、支援ガイドライン(案)の介入の準備と並行して、引き続きインタビューデータの補足を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度のインタビューの分析結果から、ガイドライン作成のためにはさらにインタビューの例数と対象を広げていく必要性と、ガイドライン作成・評価方法の更なる検討の必要性が明らかになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ガイドライン(案)の作成に向けて、補足のインタビューを継続する(10例程度)。また併行して、ガイドライン(案)の実施および評価方法を検討していく。 (2)フィールド調整を行い、介入の準備を介入を実施する。介入期間が保てるように準備等を実施することを留意する。
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