2011 Fiscal Year Annual Research Report
水痘ウイルスIE62は脳由来神経栄養因子と免疫交差し帯状疱疹の痛覚過敏を起こす
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22600003
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
白木 公康 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (50135745)
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Keywords | 水痘帯状疱疹ウイルス / 帯状疱疹 / 帯状疱疹後神経痛 / 前初期抗原IE62 / 脳由来神経栄養因子(BDNF) / C線維 |
Research Abstract |
水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の前初期抗原(IE)62に対するモノクローナル抗体が、脳由来神経栄養因子(BDNF)と免疫交差し、BDNF活性を増強し、脊髄後根細胞のdendriteの形成促進し、動物モデルで痛覚過敏を起こすことを見出した(J virol,84:1616-1624,2010)。本研究では、BDNFは、神経ネットワーク形成や痛覚に関係するので、感染に伴う痛覚過敏に対するその機構の解析を目的としている。そこで、このモデル系として、単純ヘルペスウイルス(HSV)のマウス皮膚感染モデルで、感染皮膚とその近傍の免疫組織化学的観察を行った。その結果、HSVのマウス皮膚感染モデルで、感染皮膚とその近傍では、抹消神経終末数(痛点数?)の増加を認めたが、瘢痕部では減少を認めた。神経終末数の増加には、神経傷害に伴い賛成される神経成長因子(NGF)が関係するとされるので、HSVマウス皮膚感染モデルで、経時的に、HSV抗原の分布、NGFの誘導時期と分布範囲、神経終末数の増加部位と時間経過について観察している。HSVの抗原発現は、皮下にも認めているが、NGFは、ケラチノサイト等に発現を認め、神経終末数の増加と関連する時期に認めた。さらに、神経損傷を抑制するとされるビタミンB12誘導体メコバラミンをHSV皮膚感染モデル動物に投与すると、神経終末数の増加を抑制することを観察した。このような予備的結果もでているので、感染動物の皮膚の組織化学的検討を通して、神経終末数の増加の機構を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HSVの皮膚病変の進展に伴い、神経終末数の増加という新たな知見を得ており、予定した以上の結果を得ているから。
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Strategy for Future Research Activity |
成果の項に記載したように、HSVの皮膚感染に伴う神経終末数の増加に関して、感染動物の皮膚の組織化学的検討を通して、神経終末数の増加の機構を明らかにする予定である。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Efficacy of Brazilian Propolis against Herpes Simplex Virus Type 1 Infection in Mice and Their Modes of Anti herpetic Efficacies2011
Author(s)
Shimizu T, Takeshita Y, Takamori Y, Kai H, Sawamura R, Yoshida H, Watanabe W, Tsutsumi A, Park YK, Yasukawa K, Matsuno K, Shiraki K, Kurokawa K
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Journal Title
Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine
Volume: ID976196
Pages: 9
Peer Reviewed
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[Journal Article] Efficacy of Korean traditional medicines against influenza virus infection in mice and their modes of anti-influenza virusaction2011
Author(s)
Shimizu T, Sawamura R, Kim KH, Kim KH, Lee SH, Lee YS, Kim TG, Kai H, Yoshida H, Watanabe W, Matsuno K, Shiraki K, Kurokawa M
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Journal Title
Journal of Traditional Medicines
Volume: 28
Pages: 115-127
Peer Reviewed
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