2010 Fiscal Year Annual Research Report
機能性胃腸症における胃の痛覚過敏に関わるメディエイターの解析
Project/Area Number |
22600004
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
尾崎 紀之 金沢大学, 医学系, 教授 (40244371)
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Keywords | 機能性胃腸症 / ストレス / CRF / 内臓痛 / 胃 |
Research Abstract |
【目的】機能性胃腸症のメカニズムを解析するために、我々が報告してきた反復水回避ストレスによる胃の痛覚過敏モデルの解析を行った。 【方法】我々のこれまでの実験では、水回避ストレスを10日間繰り返すと胃の痛覚過敏を引き起こすことがあきらかとなっている。今後の研究を進める上で、どの程度のストレスで胃の痛覚過敏が引き起こされるか重要になるので、反復ストレスを加えながら、経時的に、胃の痛覚の変化を調べた。またこれまでの実験で、反復水回避ストレスによる胃の痛覚過敏には副腎皮質刺激ホルモン放出因子(cortictropin releasing factor,CRF)の関与が示唆されている。CRFのsourceを明らかにする目的で、胃の組織でのCRFの発現を調べた。 【結果】ストレス1日後3日後5日後では胃の痛覚が亢進する傾向がみられたものの、有意な変化は見られず、ストレスを10日間反復することではじめて有意な痛覚の亢進が見られた。水回避ストレスは10日間反復することで、有意な胃の痛覚亢進を引き起こすことが明らかとなった。また、ストレスを与えない通常のラットでは、胃粘膜でCRF陽性細胞の発現がわずかに見られたが、10日間の反復ストレスを与えたラットでは、胃粘膜でのCRFの発現の増加が見られた。 【結論】水回避ストレスは10日間反復することで有意な胃の痛覚過敏を引き起こし、それには、胃粘膜内でのCRFの発現が関与していることが示唆された。
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Research Products
(16 results)