2011 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄疼痛伝達機構におけるアンジオテンシンIIの役割の解明
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22600010
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中川西 修 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (50296018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹野 孝一 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (20207260)
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Keywords | アンジオテンシンII / 脊髄 / 疼痛関連行動 |
Research Abstract |
昨年度末までの結果よりアンジオテンシンII(AngII)をマウス脊髄クモ膜下腔内(i.t.)投与した際、痺痛関連行動が誘発された。すなわち脊髄痩痛伝達機構においてAngHは促進的に関与していることを明らかにした。さらに今年度は、AngII誘発性痙痛関連行動のメカニズムを探る目的で種々の受容体拮抗薬および酵素阻害剤を用いて行動薬理学的に検討した。1.AngII誘発性疾痛関連行動は、選択的AT1受容体拮抗薬Losartan(1-100pmol),ZD7155(1及び8nmol)及び選択的AT2受容体拮抗薬PD123319(2及び10nmol)により影響を受けなかった。2.AngIIの代謝を担うアミノペプチダーゼの非選択的阻害薬であるAmastatin(0.5及び2nmol)はAngII誘発性疹痛関連行動に無影響であった。また、AngIIの代謝産物であるAng(1-7)のi.t.投与により0.3-3nmolの用量においてSBL行動は誘発されなかった。3.AngII誘発性痺痛関連行動は、非競合的NMDA受容体拮抗薬であるMK-801(2及び4nmol),選択的NK-1受容体拮抗薬であるRP67580(2-8nmol)及び選択的P2X受容体拮抗薬であるiso-PPADS(2.5-10nmol)の影響を受けなかった。これらの結果よりAngII誘発性痺痛関連行動は、AT1及びAT2受容体、NMDA受容体、NK-1受容体、P2X受容体を介さないこと、AngIIの代謝産物の影響が認められないことを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度3月の東日本大震災により、動物実験を行う為の施設の復旧及び研究体制の回復までに時間がかかった為、当初の研究計画までは進まなかったが、計画の約70%を達成することができた。現在は、研究の遅れを取り戻し計画どおり進めるよう進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
AngII誘発性終痛関連行動のmitogen-activated protein kinase; MAPK(ERK-1/2、JNK、p38)の関与を検討する為、MAPKに関する試薬を用い行動薬理学的及びウエスタンブロット法等により分子生物学的に検討する。
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Research Products
(2 results)