2010 Fiscal Year Annual Research Report
知のかけ橋・博物館の特性をいかした複合的理科課題の学習方法について
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22601015
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
広谷 浩子 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (10205099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 ゆき 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 学芸員 (70342946)
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Keywords | 動物標本 / 理科学習 / 教師用プログラム / 複合的理科課題 / 人類進化 / 博学連携 |
Research Abstract |
研究項目は、1.学校の理科教育の現状分析をもとにした博物館へのニーズ把握、2.複合的理科課題の学習プログラムの作成・実施と効果検証、3.学校と研究者をつなぐ場の設定の3つであるが、このうち1と2を重点的に行い、下記のような成果を得た。 1. 学校での理科教育の現状を知るため、文献調査、学校関係者へのインタビュー、理科教員勉強会への参加や博学蓮携事業の先進館の見学を行った。特に、23・24年度より本格的に実施される新指導要領に基づく理科が扱う範囲及び解説の手法について精査し、本研究の学習プログラムの作成・実施の方向性を検討した。また、研究分担者の加藤は全国科学博物館協議会の視察研修に参加し、ベルギー・フランス・イギリスの主要博物館の展示や学習プログラムにおいて、複合的理科課題が取り扱われている現状を調査した。これらの結果、学校授業への直接的支援と教師の知識習得の両方に対し、博物館へのニーズが多く、果たすべき役割が大きいことがわかった。 2. 小学4年生理科で新しくとりあげられる学習項目「人の体と運動のしくみ」と人類進化の学習プログラム(SP1)を関連づけて、学校の授業展開の延長で学ぶためのサブテキスト作成と教材開発を行った。これらは、次年度秋に小学校への出張授業として実施し、効果検証を行う。出張授業の準備の一環で、今年度は、小学校で、動物の手足の多様性と進化を紹介するミニトークを行ったところ、反応がよく、潜在的な学習意欲の大きさがうかがえた。 3. 博学連携の具体策について、今年度は基本的な情報を収集するにとどまった。1で行ったニーズ把握の調査や博学蓮携のシンポジウム等で、個々の教員から授業のくみたてにおける問題点や情報交換の場などについてさまざまな意見を聞くことができた。また、研究者と学校をつなぐ試みの現状についても調査した。これらをまとめ、博物館が提供できる場のあり方を検討中である。
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