2012 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光性生理活性化合物の創製:(プルラマイシン類をリードとして)
Project/Area Number |
22603003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 吉勇 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (40532742)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 有機合成化学 / 天然物化学 / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
本研究は、抗腫瘍性抗生物質であるプルラマイシン類をリード化合物として蛍光プローブの合成を目指すものである。プルラマイシン類は、2つのアミノ糖によってDNAの塩基配列を高度に認識することで高い生理活性を示す。一方、蛍光分子は生体分子を標識化することで、生命現象を観察するために利用される。蛍光分子にプルラマイシン類が持つ糖部位の構造を導入することができれば、特定のDNA配列を認識する蛍光プローブの創製が期待できる。しかしながら、DNA認識の鍵となる部位はビス-C-グリコシド構造という特異な構造を有しており、その合成は容易ではない。そのため、まずはプルラマイシン類の実践的合成法の開発を目指した。 当該年度では、プルラマイシン類の一つであるサプトマイシンBの全合成を目指した。我々は、これまでにビス-C-グリコシド構造の構築に成功しており、さらにアグリコンの合成にも成功している。残る課題はアミノ糖を有したままいかにしてアントラピラノン骨格を合成し、その整合性をとるかにある。これに対して我々は、できるだけ合成の終盤においてアグリコンに対して糖を導入する方法を探索した。その結果、芳香環の求核性の差をうまく利用することで三環性のアントロンに対して異なる糖を収率よく順次導入する方法を見出すことができた。さらにこのとき用いたアントロンからアントラピラノン骨格へ誘導する手法を開発し、アグリコン合成の新規経路を開拓することができた。開発したビス-C-グリコシド合成法とアグリコン合成法を組み合わせることで、サプトマイシンBの全合成を達成することができた。当初の目標である蛍光プローブ開発までの応用を試みることはできなかったが、今後確立した合成ルートを応用することで達成可能と考えられ、基盤となる技術を開発することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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