2010 Fiscal Year Annual Research Report
Watasenia scintillans生物発光におけるATPの作用機構の解明
Project/Area Number |
22603005
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
寺西 克倫 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (20237001)
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Keywords | 発光 / ATP |
Research Abstract |
発光はこれまで生命科学の可視化イメージングの技術として応用されているが、使用できる発光現象には制限があり数例ほどが用いられているのみである。このような背景において新たな発光系の発見や開発が求められている。Watasenia scintillansの発光には、アデノシン-3リン酸(ATP)分子が必要であることが判明している。しかし、その作用機構は不明であり、この発光の完全解明は、新たなイメージング技術につながる可能性がある。これまで発光に必要なタンパク質は熱、化学薬品等に非常に不安定であり、また、水溶液での可溶化に成功していない。本研究では、可溶化に関して検討した。まず、数ミクロン粒子の状態で存在するタンパク質関連化合物を既存の蛋白質可溶化剤を用いて可溶化を試みたが、可溶化することなく発光活性を消失する結果となった。次に、新しくタンパク質の疎水残基を分子包接することで可溶化させることを考案し、分子包接する数種の環状糖鎖からなる可溶化剤を化学合成し可溶化を試みた。しかしながらこの場合も発光活性は低下し、目的とする発光活性を保ちつつ可溶化させることには不成功であった。
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