2012 Fiscal Year Annual Research Report
Watasenia scintillans生物発光におけるATPの作用機構の解明
Project/Area Number |
22603005
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
寺西 克倫 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (20237001)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 発光 |
Research Abstract |
発光生物Watasenia sintiranceの発光は、ATP、発光基質、酸素、酵素を必要とする化学反応によるものである。ATPを必要とする発光反応にはホタルの発光反応が代表的であるが、他の生物の発光にもATPを必要とするものが多い。しかし、ATPの作用機序が明らかになっているものはホタルの発光系のみである。本研究はWatasenia sintiranceの発光におけるATPの発光反応における作用機序を解明するものである。Watasenia sintiranceの発光におけるATPの作用機序の解明は、その他のATPを必要とする発光反応におけるATPの必要性の理解に寄与する可能性がある。これまでの研究において、基質とATPの化学結合は生じないことが判明しており、本研究では酵素とATPの相互作用(吸着あるいは結合)が生じているものと仮説を立て研究を進めた。まず、この課題の研究において酵素の単離、酵素の構造の解析を必要とし、そのための検討を行ってきた。酵素の単離には溶解作業が必須であると考え検討したが、酵素の溶解を行うことができず、さらには酵素活性の喪失を伴った。このため酵素の溶解を断念し、不溶な状態のままでの酵素の性質に関する研究を行った。不溶の酵素を含む固体混合物を数回の洗浄操作を行うことにより純度を高め、この固体を用いATPに関する反応を検討した。その結果、ATPと不溶固体(酵素を含む固体)とは持続的な吸着あるいは持続的な結合はせず、水緩衝液による洗浄において容易に解離し、発光反応には常にATPの存在が必要であることが明らかとなった。これまでの研究においてATPは基質量以下しか消費されないことから、ATPは酵素と非化学結合的な相互座用により酵素を活性化していることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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