2011 Fiscal Year Annual Research Report
任意配列オリゴペプチド合成を目指した新規ポリアミノ酸合成酵素の機能解析
Project/Area Number |
22603013
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
石井 義孝 大妻女子大学, 社会情報学部, 准教授 (70339688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木野 邦器 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60318764)
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Keywords | 微生物 / 酵素 / 生体機能利用 / ポリアミノ酸 / NRPS / 生物活性物質 / バイオ生産プロセス / 二次代謝物 |
Research Abstract |
ペプチドは近年注目を集めている機能性食品や医薬品原料として期待されている有機素材である。例えば、ジペプチドでも血圧降下、抗潰瘍、鎮痛などといった様々な生理活性が明らかとなっている。ジペプチド以外にも、トリペプチド、β-アミノ酸ジペプチド、ポリデプシペプチドやポリアミノ酸といったペプチドに抗菌活性、抗ガン活性など多様な生理活性が報告されはじめている。しかし、生理活性が報告されているペプチドの多くは10残基以上のオリゴペプチドであり、効率的な任意配列オリゴペプチド合成プロセスが求められている。 本研究では、任意配列オリゴペプチドの合成を可能とする生体触媒の開発を最終目標に、その要素技術となりえるポリアミノ酸合成酵素の機能解析を目指して、その第1段階である種々の新規なポリアミノ酸生産菌の取得とライブラリー化、ならびに合成機構に関する知見を得ることを目的としている。 微生物の生産するポリアミノ酸は、これまでに4種類しか報告されていない。本研究の成果の先にある任意配列ペプチドの合成のためには、より多くのポリアミノ酸合成酵素の存在と解析が必要不可欠である。 前年度までに、塩基性化合物の生産を行う候補株を取得し、一部の候補株でポリアミノ酸であるポリリジンおよびポリリジン構造を持つ物質の生産を確認した。本年度は、ポリアミノ酸生産菌のライブラリー化を目指し、さらなる新規ポリアミノ酸生産菌の取得のためのスクリーニングを継続して実施した。また、前年度および本年度に取得した微生物の生産する未同定のポリアミノ酸の同定を行った。さらに、ポリリジン生産菌については既知のポリリジン合成酵素の情報を基にした合成酵素遺伝子の解析も行った。その結果、新たに取得した微生物について、質量分析により既知のポリアミノ酸と異なるアミノ酸で構成されるペプチド化合物の生産を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である新規ポリアミノ酸生産菌のライブラリー化に向けて、既知のポリアミノ酸と異なるアミノ酸で構成されるペプチド化合物を生産する微生物を取得している。現在、合成機構について検討を進めており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に進展しており、当初予定の通り研究を推進するが、とくに新規ポリアミノ酸生産菌の合成機構の検討について注力して研究を推進する。
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