2012 Fiscal Year Annual Research Report
量子ビームを用いた強誘電体ナノクラスターの作製と評価
Project/Area Number |
22604006
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
米田 安宏 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (30343924)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 強誘電体 / イオンインプランテーション / ドメイン構造 / ナノ構造体 |
Research Abstract |
長距離の相互作用によって、結晶内の多くの部分をあたかも単結晶のような振る舞いをさせ、巨大な自発分極を誘発させることに成功したものがリラクサー強誘電体と呼ばれる物質群である。リラクサー強誘電体では、polar nano region (PNR)と呼ばれる微小ドメインが常誘電相に島状に浮いている。自由度の高いPNRはクラスター間で長距離相互作用が存在するため、常誘電相をも巻き込んだドメインダイナミクスが実現する。このように、強誘電体の長距離相互作用を有効に利用したドメイン配置を実現することによって、特性が高まる現象が多くの強誘電体で報告されており、リラクサー強誘電体のドメイン構造を模倣した人工的なドメインの研究がドメインエンジニアリングと称して行われるようになった。 リラクサーを模倣したドメイン構造は、強誘電体材料開発の観点から興味が持たれてきた。特に環境汚染の可能性がある鉛を使った材料開発に制限があるため、これまで幅広く用いられてきたPZTに替わる新たな材料開発と伴に、既存の材料に対してドメインエンジニアリングを行うことによって特性向上を図る試みが多くなされてきた。しかし、リラクサー強誘電体の有するナノオーダーのドメインサイズに比べると、ドメインエンジニアリングによって導入されたドメインはサブミクロン程度で、技術的にはまだ多くの課題が残されている。近い将来、リラクサーと同様の強誘電特性を発現させるためには、1 強誘電体と常誘電体との融合、2 強誘電体ドメイン構造のナノサイズ化、3 強誘電体ナノドメインの長距離相互作用が最大化するように配置、などの課題をクリアしなければ自由な材料設計はできない。本研究では、特に強誘電体と常誘電体の融合に着目し、イオンインプランテーション技術を使った強誘電体ナノクラスターを常誘電体中に作製し、その生成機構を明らかにすることを目的とした研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)