2011 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界金属における金属絶縁体転移のミューエスアール法による研究
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22604011
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
幸田 章宏 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究機関講師 (10415044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 直 独立行政法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 主任研究員 (60292760)
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Keywords | 強相関電子系 / 金属絶縁体転移 / 超臨界金属 / 高圧物性 / ミューエスアール法 |
Research Abstract |
本年度当初の計画では高温条件の達成を目標に掲げていた。しかし、震災後の復旧計画が明らかになるにつれ、高温実験に必須である冷却水等の施設インフラは復旧が比較的遅くなることが判明した。そこで圧力発生の改良を優先して実施することとした。 前年度に製作した圧力制御システムの動作確認をおこなったところ、わずかながらポンプの吐出圧の変動によると思われる圧力の変動がみられた。より安定、かつ精度のよい圧力を発生するため油圧の脈動を打ち消すダンパーを取り付ける改造を施した。 ビームシミュレーションに関しては、前年度、CERN研究所のGeant4をベースとしたG4Beamlineによっておこなっていたが、さらにシンチレーションカウンターで検出される崩壊陽電子の非対称度まで追跡してシミュレートできるPSI研究所のmusrSimを用いたシミュレーションをおこない、圧力セル設計の精度を高めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
東日本大震災のために圧力制御システムの完成が遅延し、試験工程全体に遅れが出ている。また施設の復旧作業のために、本課題のエフォートを削らざるを得なかった。さらに実験エリアの新規ビームライン建設が始まることとなり、実験ホールのレイアウト変更作業が進行しているため試験作業の場所の確保に苦慮するという事情もあった。
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Strategy for Future Research Activity |
施設のインフラは平常運転状態に戻っている。前年度の遅れを取り戻すためには、高温・高圧技術の確立も重要な課題であるが、一方でビーム照射試験も必須のステップである。これら複合要素を効率よく同時に解決しつつ研究を遂行していかなければならない。作業場所の確保については、ビームライン建設がひと段落する夏以降に高温・高圧のテストベンチを設ける。また前年度に見送った装置開発型課題のビームタイム申請を行い、ビーム照射試験のスケジュールを明確にして研究計画の見直しを逐次、行っていく。
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