2012 Fiscal Year Annual Research Report
固体-液体界面へのイオン照射による新規表面加工・改質法に関する研究
Project/Area Number |
22604015
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小林 知洋 独立行政法人理化学研究所, 山崎原子物理研究室, 専任研究員 (40282496)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | イオンビーム / マイクロビーム / 表面改質 / 表面分析 / 集束イオンビーム / ガラスキャピラリー / ナノ粒子 / コーティング |
Research Abstract |
これまで固体-液体界面にイオンビームを到達させるためには、数十MeV以上のイオンを隔壁を通して大気中に取り出し、さらに液体中を通過させて固体表面まで導く必要があった。この方法では研究可能な施設が限定される他、放射化の問題もあり表面改質研究に利用された例は無い。本研究では、蓋付ガラスキャピラリーによってイオンビームを容易に固体-液体界面へ誘導することが出来る点に着目し、数MeVのイオンを用いてこれまでに行われたことのない表面改質に関する研究に着した。当該年度は計画にある通り、物質のエッチング加工に関する研究を行った。KAPTONやPETのフィルムをアルカリ溶液中でプロトンビーム照射し、エッチングが進行することを明らかにした。本照射は室温にて実施しており、非照射部位への化学的ダメージがほとんどないことが特徴である。一方、計画外の実験としては金属イオン溶液中におけるイオンビーム照射を行った。その結果、カーボン、シリコン、ガラス等の基板上に金、銀、白金、ニッケル等の金属微粒子を析出させることに成功した。白金微粒子について詳細に解析を行ったところ、触媒活性が高いと予想される直径数nmのものが大量に生成していた。また、長時間の照射により微粒子が連結し、最終的には膜状に移行することを確認した。微粒子の生成は活性種の拡散によって照射領域外でも進行することが判明し、微細領域へのパターニングについては課題を残した。前年度までに研究を行ったイオンビームによる高分子コーティング(パターニング)と併せ、本手法がこれまでにない表面改質手法として有望であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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