2010 Fiscal Year Annual Research Report
鉄触媒を用いる有機金属化合物のアルキンに対する付加反応の開発
Project/Area Number |
22605005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白川 英二 京都大学, 理学研究科, 准教授 (70273472)
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Keywords | カルボメタル化 / 有機金属化合物 / 不飽和炭化水素 / 付加反応 |
Research Abstract |
アルキンのアリールメタル化やアルケニルメタル化,特にヘテロ原子を持たないジアルキルアセチレンに対する反応では,生成物であるアルケニルメタルが,原料であるアリールメタルやアルケニルメタルと同様にsp^2-炭素-金属結合をもつので,これを収率よく進行させるのは困難である.我々は今回,アルキル基などの置換基をオルト位に持つフェニルリチウムがFe(acac)_3触媒存在下ジアルキルアセチレンを含む種々のアルキンに穏和な条件で付加することを見つけた.さらに,アリールメタルとしてo-(トリメチルシリル)フェニルリチウムを用いると,様々なベンゾシロール誘導体を簡便に合成することを明らかにした 例えば,Fe(acac)_3(5mol%)存在下4-オクチン(1当量)を2-(トリメチルシリル)フェニルリチウム(1.6当量)と30℃で1.5時間反応させたのちメタノールで処理したところ,1,1-ジメチル-2,3-ジプロピル-1H-ベンゾシロールが収率92%で得られた.反応は種々のアルキンに適用可能で,様々なベンゾシロール誘導体が概ね90%以上の高収率で得られた その他,様々なo-アルキルフェニルリチウムを用いる様々なアルキンのアリールリチウム化が進行したほか,トリアルキルビニルリチウムも穏和な条件でアルキンに付加した
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Research Products
(2 results)