2011 Fiscal Year Annual Research Report
家族内コミュニケーションを支援するデジタルストーリーテリングシステムの開発研究
Project/Area Number |
22610004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 朝美 東京大学, 大学院・情報学環, 助教 (70568724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿本 弥生 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 特任講師 (40508397)
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Keywords | 教育工学 / 子ども学 / 教育心理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,コンピュータ上で行う親子で行う物語作り(デジタルストーリーテリング)を通して,家族内コミュニケーションを活性化する環境をデザインすることである.家庭の教育力の向上支援を念頭に,物語作りを通じて家族内コミュニケーションの機会を充実させていく.その方法として情報通信技術(ICT)の適切な支援環境を活用し,絵本の読み聞かせでは実現しえなかった効果的なコミュニケーションを支援することを目指している. 平成23年度は,前年度明らかにした要件をもとに、家族内コミュニケーションの支援活動のデザイ・ンと評価のための実験を行なった.具体的には,子どもの発達は家族システムに埋め込まれており,子どものNarrativeもまた,家族が日常語り合うFamily Narrativeに影響されるという.本研究では,子どもに影響があるとされる家族のNarrative(家族ナラティブ)を支援することにし,その実現方法としてデジタルストーリーテリングの活動を提案する.語り手にとって物語や体験がどういう意味があるのかを深く考え,意義があるとされるこの活動を援用し,家族として意味,意義について深く考えていく活動をデザインした. 実験は、募集に応じた14組の家族を対象にワークショップの形式にて行なった。デジタルストーリーテリングでは、未来の子ども贈るという設定のもと、ビデオレターを作成した。活動の参加前と後で、家族ナラティブがどのように変化したか分析するためのデータを収集した。現在は、データ分析とともに、結果を論文化する作業を行なうている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
活動デザインとともに実証実験を完了している。収集したデータの分析と論文化の作業も開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は論文の執筆と得られた知見を社会に還元する作業を行なう予定である。具体的にはデザインを行なった「未来の子どもへ贈るビデオレターワークショップ」を実験ではなく、一般の人達が気軽に行える作業に組み替えると同時に、Web上でも既存のツールでデジタルストーリーテリングの活動が行えるよう、検討する予定である。
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