Research Abstract |
胎児期から幼児期までの食生活や生活習慣について研究を行い適正体格の獲得とアレルギー疾患との関連について検討することを目的としている。平成22年度はコホート調査として,平成21年度に妊娠届提出時に妊婦を対象としてアンケートに協力した方を対象に,出産した児の体格と母親の妊娠前体格や妊娠中の体重増加量との関連を調べた。母親が若年であれば妊娠前体格がやせでも低出生体重児は生まれておらず,妊娠中の体重増加量と比例して児の出生体重が増加した。高齢の母親では妊娠前BMIと児の出生時体重が有意に比例し,母親の年齢に応じた指導の必要性が示唆された。また,児の3歳6ヶ月児健診までの追跡調査への協力を依頼し,同意確認を行った。現在324名中263人から同意を得ており,児の成長に伴い,出生時状況,4ヶ月児健診,10ヶ月児健診においてアンケート調査を行っている。追跡調査の同意確認は平成23年12月頃の終了予定である。後ろ向き調査として,2市町の協力を得て,3歳6ヶ月児健診において,保護者を対象に除去食療法の実施状況と母子手帳を利用し,出生時からの各健診の身長・体重に関するアンケート調査を実施している。各市町で300人ずつを予定し,平成22年度では340名に対し配布し,292名から回収している。その結果,除去食を実施したことがある者は10ヶ月児健診において,身長・体重%タイル値が未実施群と比較して有意に低く,3歳6ヶ月児健診時点において除去食療法が終了していない者は10ヶ月児健診以降も身長・体重%タイル値が低く,catch up growthがみられなかった。今年度は,コホート調査では残りの同意確認を行い,児の成長に併せ健診におけるアンケート調査を実施し,健診結果のデータ収集を行う。横断研究については現在調査中の2市町について引き続き調査を行い,調査対象者を増やすために新たに協力頂く市町と交渉中である。
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