2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22610017
|
Research Institution | Saitama Gakuen University |
Principal Investigator |
松嵜 洋子 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (90331511)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
無藤 隆 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (40111562)
佐々木 玲子 慶應義塾大学, 体育学研究所, 教授 (80178673)
石沢 順子 東京純心女子大学, 現代文化学部, 講師 (40310445)
|
Keywords | 運動遊び / 保育環境デザイン / 身体能力 / 幼児教育 |
Research Abstract |
本年度は、4・5歳児を対象に、保育活動における運動遊びの実践と、身体活動量の測定を行い、身体能力の発達との関連の傾向をつかむことを目的とした。 まず、都内37園の幼稚園・保育所・認定こども園の4・5歳児1,617名を対象に、往復走、立ち幅跳び、跳びこしくぐり、体支持持続時間、捕球、ボール投げ、前転7種目の身体能力測定調査を実施した。加齢に伴い、身体能力が向上していることが見出された。 次に、「ボール遊び」「マット遊び」「総合的運動遊び」の3種類の運動遊びプログラムを作成し、12園584名の4・5歳児に実施して、その前後に身体能力測定を行った。また、取り組みの様子の観察と保育者への聞き取り調査から、その効果を検証した。プログラム実施後は身体能力が向上していた。さらに3ヵ月後の測定においては、プログラムの種類による差異は見られなかったが、実施しなかった群の子どもよりも、「往復走」「体支持持続時間」「捕球」の3種目で身体能力が高かった。 さらに、幼児の日常身体活動量の現状を知るために、8園の4・5歳児に活動量計(3軸式加速度計)を装着してもらい、7日間の身体活動量を記録して歩数および強度別の活動時間を指標として分析した。その結果、平均歩数は9701±2300歩と先行研究と比べて少ない傾向がみられ、先行研究と同様に休日よりも平日の歩数が多く、平日に比べて休日の歩数分布に範囲の広がりがみられた。また、男児では平日・休日ともに4歳児より5歳児の歩数が多かった。活動強度を低・中・高のレベルに分け、各強度別の活動時間による検討を行ったところ、中強度以上の活動時間は、休日よりも平日の方が長く、女児よりも男児の方が長く、また男女ともに4歳児よりも5歳児の方が長かった。その分布をみると、女児では平日よりも休日に短い子どもの割合が多く、男児ではほとんど変わらなかった。また、身体能力の高い子どもの方が歩数が多く、中強度以上の活動時間も長かった。
|