2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22610017
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Research Institution | Saitama Gakuen University |
Principal Investigator |
松嵜 洋子 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (90331511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
無藤 隆 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (40111562)
佐々木 玲子 慶應義塾大学, 体育研究所, 教授 (80178673)
石沢 順子 東京純心女子大学, 現代文化学部, 専任講師 (40310445)
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Keywords | 運動遊び / 保育環境デザイン / 身体能力 / 幼児教育 |
Research Abstract |
本年度は、4・5歳児を対象に、運動遊び場面の保育観察、及び、身体の能力調査の測定、活動量の調査を行い、運動遊びの取り組みの保育場面へ及ぼす効果と、保育や遊びの場面と子どもの身体活動量の関連性を検討した。 1)運動遊びの実施後には、身体能力が伸びただけでなく、質的側面である動きのなめらかさも向上した。さらに、運動遊びプログラムを実施した子どもは、プログラムで実施した運動遊びだけでなく他の運動遊びや、生活活動や当番活動など他の保育場面においても積極的に取り組む子どもの割合が増加した。 2)3軸加速度計つき活動量計を起床から就寝までの連続7日間装着し、歩数と中強度以上の活動時間を指標として活動量を分析した。同時に子どもの活発さを評価したところ、保育者は実際に活動量計によって得られた活動状況に近い評価をしており、1日の平均歩数よりも中強度以上の活動時間との関係が強いことがわかった。保護者は子どもの活動を過大評価する傾向がみられた。 3)保育者から「活発である」、「活発でない」と判定された幼児について、3軸加速度計つき活動量計により、室内での自由遊びと一斉活動、戸外での一斉活動、室内及び戸外での自由遊びの4つの活動場面における中強度以上の活動時間の分析を行った。その結果、一斉活動では活動水準にほとんど差がみられなかったのに対して、自由遊びでは活発でない子どもよりも活発な子どもの活動水準が高い傾向がみられた。同じ保育場面でも活動の種類によって、子どもの経験の量や質に違いがあることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、運動遊びの保育環境が4,5歳児の能力に与える影響と、身体能力の個人差をもたらす要因を明らかにすることを目的として観察と測定調査を行った。(1)運動遊びプログラムを実施前後の身体能力、(2)活発である子どもと不活発な子どもの活動中の活動量測定から得られたデータを分析し、運動遊びの有効性、および、活動の種類と活動量の個人差の関連を検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通りに研究を進める。本年度は最終年度であるため、これまでの測定や観察結果の分析を行い、運動遊びが子どもにもたらす経験を明らかにして、能力発達を促すための保育環境のあり方を検討する。保育観察や運動遊び中の身体活動量の測定を通して、運動遊びと子どもの能力発達や取り組み姿勢との関連を検討する。これらの結果から、個人差を踏まえた身体能力を促す保育環境を見出し、子どもの発達につながる運動遊びガイドラインを作成する。
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Research Products
(7 results)