2010 Fiscal Year Annual Research Report
積雪寒冷地の子どもの外遊びを促す環境整備の為の知見共有型パタンランゲージの研究
Project/Area Number |
22610018
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田川 正毅 東海大学, 芸術工学部, 教授 (10326564)
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Keywords | 子ども / 遊び環境 / 外遊び / 積雪寒冷地 / パタンランゲージ |
Research Abstract |
全国的に子どもの外遊びが減少し、積雪寒冷地ではかつて多く見られた冬の外遊びが減少した。本研究の目的は、戸外で遊ぶことが減った子どもの遊び環境を見直し、それを促すためにどのような環境整備を図るべきかの知見を集積・分類し、それらを保育や教育関係者・施設管理者・建築や遊具の設計者・行政担当者などが共有しやすいものとする方策として、パタンランゲージの活用法を含めて研究することにある。平成22年度の研究範囲は、(1) 北海道を対象とした調査事例の抽出、(2) 情報収集用のアンケート調査、(3) 現地調査、(4) パタンの試作である。 (1)については道内市町村の広報やホームページ等から外遊びについて特徴のある場所や事例を検討した。(2)については道内全市町村の子育て支援と公園緑地の担当部局に郵送アンケートを実施し各々過半数の回答を得た。アンケート結果より全体傾向を把握するため為のグラフ化と特徴ある取り組みの整理を行なった。(3)については、(1)及び(2)の結果も踏まえた詳細調査を名寄市、美唄市、小樽市、深川市、紋別市、苫小牧市、恵庭市、千歳市、札幌市の公園緑地を中心に行った。また旭川市近郊について逐次調査を行い場所と遊び行為の関係性について記録した。(4)についてはパタンの試作にむけて詳細調査の記録画像と文章を合わせたものとして整理中である。パタン制作においては既往文献における場所と遊び行為の関係についての知見も比較検討する必要性があるため、文献調査も並行して継続中である。 平成22年度の研究内容は、積雪寒冷地特有の短い夏・肌寒い日も多い中間期・雪で覆われる冬期を子どもたちがどのように楽しむか、遊び行為がどのような場所の特徴により活発化するのか、実態に即した知見を集積する上で極めて重要な基盤的調査となっている。
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