2011 Fiscal Year Annual Research Report
積雪寒冷地の子どもの外遊びを促す環境整備の為の知見共有型パタンランゲージの研究
Project/Area Number |
22610018
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田川 正毅 東海大学, 芸術工学部, 教授 (10326564)
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Keywords | 子ども / 遊び環境 / 外遊び / 積雪寒冷地 / パタンランゲージ |
Research Abstract |
平成23年度は三か年の研究計画の二年目にあたる。初年度の行政担当部局へのアンケート調査も踏まえた公園・園庭等の外遊び観察記録調査を主としたフィールドワークを中心に、子どもの外遊びを促す知見や事例の収集を進めた。東日本大震災の影響もあり北海道を中心に調査を行ったが、秋田市・横手市などで東北地方の伝統的な遊びなども調査を行うことができた。収集した知見や事例は順次、外遊びを誘発するパタンとして整理を進めた。年度の後半では、それらのパタンをホームページに掲載するコンテンツとしてデータ化を行なった。本研究の目的が、そうした知見や事例を行政担当者・建築家や造園家などの計画者・保育や教育関係者など多くの人が共有しやすいものとする方法を研究することであることから、遊びパタンの内容を適切にかつ豊かに表現するグラフィックの開発に特に努力した。収集し考察を加えたパタンの中から、冬の外遊びに係るもので特徴的な内容について、こども環境学会ポスターセッションで発表し議論の中で得られた新たな視点を研究にフィードバックした。これまでの研究を通じて、子どもの外遊びを促す多様なきっかけや仕掛けについて、地域の特徴に応じた相違はあるものの、多くの共通点もあることが明らかになってきた。地域条件は異なっていても他地域の知見や事例を参照して各々の地域で外遊びを促す工夫を重ねることは有効で、本研究による研究開発内容が活用されることには大きな意義があると考えられる。 知見共有の有力な方法の一つとして構築を進めているホームページでは、外注委託も活用することで既に収集した個別パタンについてはデータとして作成することができた。現在はそれらのパタンが相互に連結してどのようなパタンランゲージとして機能しうるかについて継続的な研究を行うと共に、地域の特徴を踏まえた新たな知見等について継続的な収集を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子どもの外遊びを促す知見や事例について相当量を収集できた。それらをパタンとして整理し、ホームページの構築に必要なコンテンツとしてデータ化する作業も、既収集の知見と事例については概ね終了した。但し東日本大震災の影響もあり、東北地方の遊び事例の収集には一定の制約が生じており、最終年度においても可能な限り事例収集とデータの追加作成を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度においては、作成したパタンやコンテンツの評価を行い、効果的なホームページのアップロードを完了する。また、それらをパタンランゲージとして有効に用いるためのガイドともなる研究報告書を作成する。それらを期限内に進めるために、これまでの知見の収集で得た人的ネットワークも有効に活用する。
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Research Products
(1 results)