2012 Fiscal Year Annual Research Report
幼児虐待予防:舌喉頭矯正術による夜泣きおよび母親の育児ストレス改善に関する研究
Project/Area Number |
22610020
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
山本 伊佐夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (30277917)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 舌喉頭偏位症 / 舌喉頭矯正術 / 幼児虐待 / 夜泣き / 育児ストレス / 社会医学 / 睡眠 |
Research Abstract |
CGLを希望し来院した乳児の母親に対し術前後約1週間ずつ、睡眠および蹄泣時間を生活記録用紙に記入してもらい解析した結果、児の1日の平均睡眠時間は術後増加し、蹄泣時間は有意に減少した。夜間の最長睡眠時間、最短睡眠時間は術後有意に増加し、総蹄泣時間、最長蹄泣時間および蹄泣回数は有意に減少した。 乳児と母親に術前後の約1週間、加速度センサー内蔵されたアクチグラフ(米国AMI社製)を装着してもらい、睡眠解析ソフトであるAW2およびAct-FASTを用いて解析した結果、CGL後、睡眠効率、睡眠潜時、入眠後の覚醒時間、最長継続睡眠時間が改善したこと、パフォーマンス曲線の最低値および平均値の有意な上昇がみられたことから、CGLにより睡眠の質は向上し、母親の疲労度は減少した。 CGLを希望する乳児の母親に対し、睡眠モニター(PulesWatch PMP-200GplusX)を術前後に装着してもらい、専用解析ソフトを用いて評価した結果、CGL後はSpO_2、脈拍に有意な変化はみられなかったが、睡眠レベルではLight時間は減少、Deep時間は増加したことから、術後、母親の睡眠深度は深くなった。 CGL前後の乳児の泣き声の音声波形分析の結果、術後は基本周波数は下がり、スペクトルの調波構造は明瞭で安定し、穏やかで澄んだ声に変化した。 以上より、よく泣いてなかなか寝付かない育てにくい乳児は、CGLにより睡眠の質、蹄泣頻度、泣き声の質が改善し、また母親も睡眠が改善し疲労度が低下したことから、CGLによる虐待予防の有効性が示唆された。
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