2011 Fiscal Year Annual Research Report
育児環境における情報収集過程と個人特性が養育者の心理的適応に及ぼす影響機序の解明
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22610025
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
西村 太志 広島国際大学, 心理科学部, 講師 (30368823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沼 貴美 広島国際大学, 看護学部, 教授 (80432714)
内田 裕之 大阪大学, 大学院・大阪大学・金沢大学・浜松医科大学連合小児発達学研究科, 准教授 (90461350)
相馬 敏彦 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 准教授 (60412467)
古谷 嘉一郎 比治山大学, 現代文化学部, 講師 (80461309)
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Keywords | 子育て / 子育て情報の獲得と提供 / 対人ネットワーク / ソーシャル・サポート / 子育て関連防災情報提供 / 養育者の心理的適応 / 養育者の子育てへの態度 / 社会心理学 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、養育者の情報収集過程に焦点を当て、社会におけるよりよい子育て環境のあり方を検討し、豊かな子育て支援環壌の構築に寄与することである。 本年度は、本研究課題の主要な検討目的である、養育者の情報収集過程に関する包括的網羅的な調査の実施、および子育て支援者の情報提供場面における効果的な提供方法や内容について、議論を行った。 調査については、インターネットを用いた全国調査を、専門業者の協力の下、実施した。就学前の子どものみを養育している人を対象に、全国で約1400人の調査を実施することができた。またその中には、障害児の養育者を約200人含むこともできた。これらの人々に対しては、「養育者自身が持つソーシャルサポートネットワーク」と「子育てに関するサポート・圧力に対する評価」、「養育者の心理的適応状態」、「養育者の子育ての仕方」、「養育者自身の個人特性(完全主義など)」についての項目を設定した調査を実施した。調査の実施が、2012年1月後半であり、現在研究者間でデータ分析検討を実施している。 来年度学会等で発表、論文としてまとめる予定である。 また、web調査とは別に、地域における子育て支援の実践場面における情報提供に焦点をあてた検討も行った。これは、子育てへの不安低減のために、的確な情報の獲得や提供が必要となると考えられたからである。本研究課題に関連して協力関係にある、三原市本郷地区社会福祉協議会と連携し、乳児を養育中の人々への適切な情報提供とそれへの評価を、防災・減災に関連する情報を実際に提供するために、検討会や講演会への参加、提供方法の検証を行った。 これらの研究遂行と関連して、社会心理学、臨床心理学、小児看護学などに関する理論の考察や研究発表等も行い、子育て支援とこれらの研究領域との理論的結合も試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2012年度は、全国規模の調査の実施が主たる取り組みであったので、それへの調整を主に前期、実施への実際的活動を後期に行った。調査は1月末に修了し、その後研究メンバーでの検討も行うことができた。また、三原市での防災情報提供に関しても、定期的に議論を行い、調整を進めている。このようなことから、今年度の課題は期間内に十分達成したものであり、概ね順調な進捗であると判断している。 論文等での成果発表は、2012年度にまとめて行う予定である(データ収集完了の時期が年度末であったため)。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度が本研究課題の採択期間の最終年にあたるために、これまでに蓄積したデータの分析と検討を進め、国内学会での学会発表や論文、書籍の発表などを進める予定である。また、発表の過程で得られた示唆や実践的活動から得られた新たな課題を研究者間で整理する予定である。 加えて、次世代育成は国家的な課題の一つでもあるために、広く研究成果の公表をわかりやすく行っていくための方策を検討する予定である。 現時点では研究計画の変更や問題点は特にない。
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